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用語集
治療用具・材料、施設紹介、用語集をご紹介します。
アテロコラーゲン | アテロコラーゲンAtelo-collagen | |
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コラーゲンには、多数の種類が存在するが、動物の結合組織を構成する重要なものがⅠ型コラーゲンである。アミノ酸が約1000個連結された分子が3本より合わさった構造をとる。この3重らせん構造の両端には数十個のアミノ酸からなるらせん構造をとらない部分が存在する。この部分をテロぺプチドとよぶ。3重らせん構造の部分のアミノ酸配列は、動物種間において大きな相違が存在しないが、テロぺプチド部分のアミノ酸配列は、動物種間において異なる。それゆえ、この部分が抗原決定基となり免疫拒絶反応を惹起する。このテロぺプチドをタンパク質分解酵素処理により除去すると免疫拒絶反応が著しく軽減される。コラーゲン(collagen)のテロぺプチドを無くした(Atelo-)という意味で「Atelo-collagen」とよぶ。 | ||
アルギン酸塩ドレッシング | アルギンサンエンドレッシングAlginate Dressing | |
海藻から抽出された成分で造られた創傷管理、特に滲出液の管理を目的として使われる被覆材。 | ||
医療関連機器圧迫創傷 | イリョウカンレンキキアッパクソウショウMedical Device Related Pressure Ulcer | |
機器による圧迫で発生する創傷。尿道・消化管・気道などの粘膜に発生する創傷は含まない。 | ||
エアマットレス | エアマットレスAir mattress | |
電動ポンプからマットレス内のエアセルに空気が送られ、エアセルが定期的に膨張と収縮を繰り返して、床ずれ発生の原因である局所の圧迫を低減するマットレス。 | ||
栄養 | エイヨウNutrition | |
創傷が治癒するために必要な栄養素には、蛋白質、ビタミン、微量元素などが含まれる。 | ||
MRSA | エムアールエスエイMRSA (Methicillin-Resistant Staphylococcus Aureus) | |
メチシリン耐性黄色ブドウ球菌 | ||
壊死組織 | エシソシキNecrotic Tissue | |
身体組織の一部が血流障害によって栄養や酸素が不充分となり、乾燥、壊死(死滅)に陥った組織のこと。 | ||
炎症 | エンショウInflammation | |
身体の一部に細菌や異物が侵入した結果、排除しようとしておこる組織の反応。 | ||
炎症期 | エンショウキInflammatory Phase | |
損傷に対する初期の応答。一時的な血管収縮、血管拡張、浮腫、白血球の受傷部位への遊走およびその後の抗感染活動からなる。 | ||
汚染 | オセンContamination | |
創傷部位における細菌のコロニー形成過程。異物が多く存在した状態。 | ||
角化細胞 | カクカサイボウKeratinocyte | |
皮膚の表皮は最下層から最上層にむけて基底層、有棘細胞層、顆粒層、透明層、角質層の5層から構成されている。基底膜上に存在する角化細胞が増殖と分化を繰り返して最上層へと移動する。それゆえ、表皮の再生には必要不可欠な細胞である。 | ||
下腿潰瘍 | カタイカイヨウLeg Ulcer | |
下肢の部分に発生した潰瘍で、静脈性鬱血性潰瘍等がある。 | ||
痂皮 | カヒEschar | |
滲出液や組織が乾燥し、創の表面で固着した状態。 | ||
関節拘縮 | カンセツコウシュクarticular contracture | |
関節構成体軟部組織の損傷後の瘢痕癒着や不動による廃用性変化の1つで,関節包,靱帯などを含む軟部組織が短縮し,関節可動域に制限がある状態である。 長期間の固定などにより,筋や皮膚などに原因がある場合は短縮(tightness)とよび,伸張運動により改善する。 関節包内の骨・軟骨に原因があり,関節機能がない場合は強直(ankylosis)とよび区別され,伸張運動の効果は認められない。 | ||
乾癬 | カンセンPsoriasis | |
表皮の増殖と炎症が主徴で、銀色の鱗屑の付着が認められ痒みがある。 | ||
感染 | カンセンInfection | |
紅斑、膿、壊死組織、発熱、白血球数増加、疼痛のうち1つ以上の徴候があり、臨床的に明らかな病態。 | ||
局所陰圧閉鎖療法 | キョクショインアツヘイサリョウホウ | |
難治性の創傷に対して、創傷を密封し陰圧を付加することにより、創縁の引き寄せ(収縮)、肉芽形成の促進、滲出液と感染性老廃物の除去を図り、創傷治癒を促進する治療法 | ||
血管新生 | ケッカンシンセイAngiogenesis | |
新しい肉芽組織の中に発生した毛細血管。 | ||
ケロイド | ケロイドKeloid | |
皮膚瘢痕が過剰に増生した状態。通常、周囲正常皮膚の中にも拡大する。 | ||
骨突出部位 | コツトッシュツブイBony prominence | |
仙骨部や腸骨、踝部(くるぶし)など骨が突出し、圧迫を受けやすい部位。 | ||
サイトカイン | サイトカインCytokine | |
挫滅した組織の修復には、創周辺から炎症部位へ細胞を呼び寄せる走化性因子が重要であり、さらに呼び寄せた細胞の増殖を促進する細胞成長因子が重要である。これらの生理活性物質をサイトカインとよぶ。 6,生物学的創傷被覆材,セイブツガクテキソウショウヒフクザイ,,創傷面を被覆保護して治癒を促進するものを一般的に創傷被覆材とよぶ。材料に細胞を組み込んで、細胞から産生されるサイトカインにより治癒を積極的に促進するものを従来の創傷被覆材と区別して生物学的創傷被覆材とよぶ。 | ||
採皮創 | サイヒソウDonor site | |
植皮術で移植する皮膚を採取した部分の創。 | ||
殺菌(滅菌) | サッキンSterilization | |
病原性微生物を死滅させること。 | ||
湿潤環境 | シツジュンカンキョウMoist Environment | |
創面を湿潤に保ち、細胞が遊走しやすく創傷の治癒を促進する環境。 | ||
除圧 | ジョアツOffloading | |
褥瘡を予防するため骨突出部の圧を取り除くこと。 | ||
消毒 | ショウドクDisinfection | |
病原性微生物を死滅させるが、非病原性菌の残存はある状態。 | ||
上皮形成 | ジョウヒケイセイEpithelialization | |
上皮細胞が治癒期に創傷表面を遊走して増殖する状態。 | ||
静脈性潰瘍 | ジョウミャクセイカイヨウVenous ulcer | |
静脈の環流不全の結果浮腫が生じ、さらに潰瘍に至った状態。 | ||
褥瘡 | ジョクソウPressure Ulcer | |
圧迫による循環不全から、組織の栄養や酸素が欠乏し発生した損傷。褥創とも表記する。 | ||
植皮 | ショクヒSkin Grafting | |
損傷部位修復のため、身体の健常な組織の一部を移植して治癒へ導く治療法。 | ||
滲出液 | シンシュツエキExudate | |
血管透過性亢進の結果、創傷に集まる液体。 | ||
深部損傷褥瘡 | シンブソンショウジョクソウDeep Tissue Injury | |
深部組織の損傷を伴う褥瘡。肉眼的には浅い褥瘡に見えても、急速に深い褥瘡となる可能性がある。 | ||
スキン-テア | スキンテアSkin tear | |
摩擦やずれによって皮膚が裂けて生じる。特に高齢者の手足に発生しやすい。 | ||
3T3 feeder layer | 3T3 feeder layer | |
3T3細胞は、マウス皮膚由来の線維芽細胞でライン化されたものである。この3T3細胞に所定量の放射線を照射したり、所定量のマイトマイシンで処理すると分裂能を失う。このような処理をした3T3細胞は、ヒト角化細胞の増殖を促進することが可能であり、角化細胞に対する「細胞支持層」として作用する。それゆえ、feeder layerとよばれる。 | ||
ずれ | ズレShear | |
隆起した骨が下層の皮下組織を押し付けながら動く場合に生じる力。その結果として起こる損傷が褥瘡形成の一因となる。 | ||
成熟期 | セイジュクキMaturation phase | |
治癒の第?期(最終期)。正常な運動負荷に耐えられるまでに瘢痕組織が再形成され、強化されるには数年を要する。 | ||
線維芽細胞 | センイガサイボウFibroblast | |
皮膚の真皮には、コラーゲンや多糖類からなる細胞外マトリックスに線維芽細胞が接着して存在している。このマトリックス内には、血管網やリンパ管が存在している。皮膚が損傷をうけた際には、線維芽細胞が細胞外マトリックスを産生することにより真皮様構造を再建する。それゆえ、深達性の皮膚欠損の再建には必要不可欠な細胞である。 | ||
全層創傷 | ゼンソウソウショウFull Thickness Wound | |
真皮から皮下組織まで広がった組織障害。 | ||
創傷 | ソウショウWound | |
外的、内的原因によって発生した皮膚の損傷。 | ||
創傷被覆材 | ソウショウヒフクザイWound Dressing | |
創傷をカバーし、外力から保護する材料で、多種類ある。被覆材、ドレッシングとも言う。 | ||
増殖期 | ゾウショクキGranulate Phase | |
治癒の第?期。血管新生、肉芽組織形成、および上皮形成がみられる。 | ||
体圧/接触圧 | タイアツ/セッショクアツinterface pressure | |
皮膚表面と接触面との間に生じる垂直に作用する力を接触圧とよび,そのなかで重力によって生じるものを体圧という。 | ||
大転子 | ダイテンシTrochanter | |
腸骨よりやや臀部よりに位置する骨突出部で、褥瘡好発部位である。 | ||
デブリードメント | デブリードメントDebridement | |
異物、汚染物質、壊死組織を除去すること。デブリードマンとも言う。 | ||
糖尿病 | トウニョウビョウDiabetes | |
代謝性疾患で糖を分解するインスリン分泌不全によって、尿糖などを生じる疾患。 | ||
糖尿病性潰瘍 | トウニョウビョウセイカイヨウDiabetic Ulcer | |
糖尿病患者にみられる下肢や足部のできる潰瘍。 | ||
ドレナージ | ドレナージDrainage | |
体内から滲出液等を体外へ誘導すること。 | ||
肉芽組織 | ニクゲソシキGranulation Tissue | |
ピンクから赤色の湿潤かつ脆弱な結合織で、治癒増殖期に開放創床を充填する。 | ||
熱傷 | ネッショウBurn | |
高温の湯や火によって生ずる皮膚損傷。やけど | ||
バイオフィルム | バイオフィルムBiofilm | |
細菌によって産生され、目に見えない感染を引き起こし、創傷治癒を阻害する。創傷の治療では、洗浄などによりバイオフィルムを除去することが重要である。 | ||
ハイドロゲルドレッシング | ハイドロゲルドレッシングHydrogel Dressing | |
親水性ポリマーが架橋を形成し、その中に水分を多く含むゲル状の被覆材。壊死組織の自己融解、治癒を促進する。 | ||
ハイドロコロイドドレッシング | ハイドロコロイドドレッシングHydrocolloid Dressing | |
親水性コロイド、疎水性ポリマー、防水性外層からなる被覆材で、湿潤環境を維持し、治癒を促進する。 | ||
瘢痕 | ハンコンScar | |
潰瘍や皮膚創傷が治癒した後に、真皮が線維化し、正常皮膚とは異なった形態を示す状態。 | ||
肥厚性瘢痕 | ヒコウセイハンコンHypertrophic scar | |
皮膚瘢痕が過剰に増生した状態。通常、周囲正常皮膚の中には拡大しない。 | ||
皮膚潰瘍 | ヒフカイヨウUlcer | |
皮膚真皮を越えた損傷。 | ||
びらん | ビランErosion | |
基底層までの剥離欠損した状態。 | ||
フィルムドレッシング | フィルムドレッシングFilm Dressing | |
主にポリウレタンフィルムで造られ、酸素と水蒸気を通す半透過性の透明フィルム。 | ||
浮腫 | フシュEdema | |
血流の鬱帯により、血管外へリンパ液や蛋白などが流出し組織間に貯留した状態。 | ||
部分層創傷 | ブブンソウソウショウPartial Thickness Wound | |
真皮層までの損傷をさす。 | ||
閉鎖性ドレッシング | ヘイサセイドレッシングOcclusive Dressing | |
創面全体を覆い、酸素透過や細菌侵入を防ぐ被覆材。ハイドロコロイド材料などがある。 | ||
ポケット | ポケットUndermining | |
一般に損傷部位が皮膚表面の下にトンネル状になって範囲が広くなっているもの。 | ||
発赤 | ホッセキRedness | |
圧迫を受け、組織に血液が充満し赤くなっている状態。 | ||
摩擦/摩擦力 | マサツ/マサツリョクFriction | |
対象の表面に発生している外力である。単位はN である。力が加わっている荷重面と平行した方向に生じる。着目している部分が静止している場合と,移動している場合とで,摩擦係数には違いがあり,静止時の係数を静摩擦係数,移動時の係数を動摩擦係数という。 | ||
羊膜製品 | ヨウマクセイヒンAmniotic Membrane Products | |
最小限の製造処置を施されたヒト羊膜(及び絨毛膜を有するものもある)を原料とする同種移植片で、創部の保護、瘢痕組織形成の低減、炎症の抑制及び創傷の治癒促進・軟組織の再生を目的とする医療機器。生細胞は含まず、羊膜由来ゆえ免疫特権である。作用機序としては、300以上の細胞外基質タンパク質、成長因子、サイトカイン及び特殊タンパク質とスキャフォールドとして機能するタイプI、III、IV、V、VIIコラーゲンを創に供給し、創傷部(製品貼付け部位)に骨髄等から幹細胞を誘導する磁石的な役割を果たす。その結果、血管新生も誘導して母床血行を改善し、難治性創傷に治癒をもたらす |
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