傷の悩み 無料相談

創傷治癒よくある質問

  1. 傷の応急処置
  1. その他(場所を特定しない・複数の部位)
Q1 相談者 ニックネーム:あい 患者様(相談対象者) 年齢:10代後半 性別:女性

昨日の夜中に友達とふざけていたら深さ1mぐらいの溝に後ろから落ちてしまいました。傷は深くないのですが、右腕の内側の手首から上腕にかけて広範囲の擦り傷と、左足の膝の内側に擦り傷と500円玉2枚分程の内出血が出来ました。とりあえず痛かったので、水で洗って腕にはキズパワーパッドを貼り、次の日に薬局で買った湿潤療法の大きい絆創膏を膝の内側に貼りました。とても適当な処置なのですが、傷がずっとヒリヒリして痛いので不安です。貼るものを間違っているのでしょうか?それと、右肩と腰も打っていて、内出血などは無いのですが痛いです。病院に行く基準と傷に対する適切な処置方法を教えて頂きたいです。

A1 回答者:脇坂長興 (創傷治癒センター理事)
「深くない」外傷の処置として、「水で洗っ」たこと、「キズパワーパッド」や「湿潤療法」用の「絆創膏」を貼ったことは、基本的に「適切な処置方法」です。
感染を起こせば、腫れ、赤み、熱、痛みという症状が出現するので、自己処置で済ませてはいけません。
外傷を問題なく治し、瘢痕を出来るだけ残したくなければ、受傷後なるべく早く形成外科など外傷治療を専門にする病院を受診して処置を受け、通院治療が必要か自己処置で良いかを判断してもらい、自己ケアで良ければ「傷に対する適切な処置方法」を指導してもらうべきです。
また、「深さ1mぐらいの溝」が汚染された場所ならば、創の局所感染だけでなく、深部組織の感染拡大や破傷風などの可能性も否定できないので、抗生剤の投与や破傷風ワクチンや免疫グロブリンの注射が必要になることもあります。
申し訳ありませんが、診察をせずに具体的な創処置法をアドバイスすることは出来ません。
直ちに形成外科を受診することをお勧めします。
Q2 相談者 ニックネーム:まどか 患者様(相談対象者) 年齢:無記入 性別:女性

海外から創傷治癒方法について検索していたところこのページにたどり着いたのでメールいたしました。
現在、養護教諭として海外でボランティアしております。
以前は日本の中規模病院の外科で経験があるため、創傷治癒については理解しているつもりでしたが、
いざ海外に来て日本のような創傷被服剤のない状況でどのように対処するべきか迷っています。
例として、一人の生徒が竹で指を切ったとします。傷口は縫合するほどではないものの、現地の方はイソジンで広範囲を消毒、ガーゼに抗生物質軟膏を塗布して、準滅菌操作で処置をするように話しておられます。
しかし、私の意見として、イソジンは毎回使用する必要はなく、広範囲に塗布することもよくないと考えております。また、抗生物質は特に野外で得た汚染創や感染の心配があるときのみ必要であると考えます。完全にバクテリアはとりのぞけないため、準無菌操作はさほど重要でないとも思います。
今回のような竹で切った傷は野外になりますので迷うところはありますが、いずれにしてもイソジンで念入りに消毒する必要はないと考えます。
しかし、イソジン、ガーゼ、テープ、抗生物質軟膏、バンドエイドは常備されているものの、キズパワーパッドのような創傷被覆剤がないため、湿潤療法は難しいとも考えます。
自分自身で考えてみたものの、よい解決方法が見つからず何かアドバイスをいただけたら大変助かります。

A2 回答者:脇坂長興 (創傷治癒センター理事)
正しい創傷治癒の医学はひとつでも、実地の医療は環境および事情によって異なるのですから、お悩みになるのは尤もなことです。
日本での擦過傷の治療は、汚染された外傷以外は消毒の必要はなく、十分な量の水道水で多少の水圧をかけながら洗浄して、湿潤療法専用の創傷被覆材を貼付し、上皮化を待つのが正しい選択ということになりますが、条件が一つでも一致しなければ次善の策として、イソジン消毒、抗生剤軟膏、ガーゼという従来の治療を施行することも少なくありません。
具体例でお挙げになった竹による外傷は日本国内であったとしても、切創なら直ちに湿潤療法の選択になりますが、竹による刺創の場合は創内に竹片が残っていないことを確認してイソジン消毒を施しておき、翌日に感染が起きていないことを確認したうえで湿潤療法に切り替えるのが無難な選択ではないでしょうか。
湿潤療法の適応は、擦過傷、十分な流水、湿潤療法専用の被覆材に適切な判断力があることを条件として、全ての条件が揃っている場合に限った方がよいのかもしれません。
Q3 相談者 ニックネーム:のっぴ 患者様(相談対象者) 年齢:10歳未満 性別:女性

自治体保健師
ファミリーサポート会員向けの講習会を担当
預かり時におこった軽いケガの場合、流水で洗ってガーゼで覆うはよくないでしょうか。
短時間の預かりですので、ラップもいいかもしれませんが、そこの選択は親に任せ、預かり側は応急的なものと、傷が見えると子どもが怖がるという理由なのですがご教授お願いします。

A3 回答者:脇坂長興 (創傷治癒センター理事)
多少厳しい表現になることを、お許しください。
創傷は、湿潤状態が治癒環境として最適であることはご存知の通りです。
「応急的」な治療だから、「流水で洗ってガーゼで覆う」だけで許されるかどうかは「自治体」の判断でしょう。
また、「ラップ」という言葉が食品用ラップのことを指しているなら、食品用の商品を創傷に使用することを製造元は承認していないので、それを創傷面に使用するかどうかも「自治体」の判断でしょう。
確実な2つのポイントは、創傷面の乾燥は創傷治癒の阻害因子のひとつだということと、湿潤療法は特殊な治療法ではなく広く一般に浸透しつつあるということですから、それを踏まえれば「流水で洗ってガーゼで覆う」行為はお勧めできません。
「預かり側は応急的な」対処だけというのは預かっている側の理屈で、預けている側は「自治体保健師」を創傷治療のプロとして見ているのではないでしょうか。
創傷治療のプロとして最適な治療を施したうえで、その後の治療の「選択は親に任せ」てはどうでしょう。
湿潤療法専用の創傷被覆材は比較的高額なため、これまでの慣例を変えることは難しいのかもしれませんが、「自治体」ともよく話し合って、今後の治療方針を検討してください。
Q4 相談者 ニックネーム:くぅ 患者様(相談対象者) 年齢:10歳未満 性別:女性

現在、保育所で勤務している看護師です。
0~2歳の担当なのですが、擦り傷の場合の処置について質問です。
軽い擦り傷であれば、流水で洗い、乾燥していればワセリンを塗ってラップをし、テープ固定で大丈夫でしょうか?
やはり消毒はしない方がよいのでしょうか?
今まで病院でしか働いたことがないので、処置方法があっているのか不安です。

A4 回答者:脇坂長興 (創傷治癒センター理事)
医療関係者ということですから、端的にお答えします。
感染していなければ消毒は不要です。
創が菌に汚染されて感染が成立していることと、創面に菌が存在することは、イコールではありません。
創面に菌が存在していても、水道水で洗い流せば、健常人の擦り傷で感染に繋がることはまずないでしょう。
消毒薬や軟膏、瘡蓋などは創治癒、上皮化の妨げになります。
なお「ラップ」と記載がありますが、老婆心かもしれませんが、食品用ラップ材のメーカーは創治療に使用されることを想定していないということは、十分に認識しておいてください。
数日間の使用で済むならば、医療材料をお使いになることをお勧めします。
Q5 相談者 ニックネーム:あきこ 患者様(相談対象者) 年齢:10歳未満 性別:女性

保育関連施設で働く看護師です。
幼児間でのかみつきによる傷の応急処置について、教えてください。
皮膚を突き破っているものは「流水で洗ってから受診」、歯型が残っているだけの場合は「冷やすだけでよい」と伝えていますが、保育の領域では「冷やしてからよく揉むと傷跡が残らない」という考え方が広く普及していています。
一般の保育者や保護者に納得していただくために、揉まないほうがよい科学的根拠をお伝えしたいのですが、どのように話すとよいでしょうか?

A5 回答者:脇坂長興 (創傷治癒センター理事)
咬傷は犬より猫、猫よりヒトにかまれた場合の方が、感染を起こす確率が高いということを知っておいてください。

したがって、「皮膚を突き破っているものは」、まず水道水を「流」しながらしっかりと「洗」っていただく必要があります。
洗浄後は、創を乾かさないように濡れタオルなどを当てたまま、創傷治療の専門施設を受診していただくのがよいでしょう。

「歯型が残っているだけの場合は」表皮だけの損傷の場合もありますし、真皮組織の断裂が起きている場合もあります。
真皮組織の断裂があるときに「よく揉むと」、皮下での出血の原因になったり出血を助長したりする可能性があります。

皮下の血腫は異物の存在ということになるので、創傷治癒の阻害因子になり得ます。
したがって「冷やしてからよく揉む」ことは、お勧めできない行為のひとつと結論付けられます。
Q6 相談者 ニックネーム:無記入 患者様(相談対象者) 年齢:無記入 性別:無記入

傷口の洗浄はどのようにすれば良いですか

A6 回答者:脇坂長興 (創傷治癒センター理事)
創の洗浄は、効果的な創傷管理法のうちの最も大切な要素のひとつです。

創の洗浄は、ドレッシング材交換毎に、生理的食塩水を用い、適切な洗浄圧で行います。皮膚洗浄剤や消毒剤の創への使用は避け、創面の損傷を最小限に抑えることを考慮する必要があります。

種々の洗浄用具があるが、それぞれの洗浄圧に注意して用います。281~1055g/cm2の間の洗浄圧が安全かつ効果的です。35cc注射器に19ゲージの針をつけた場合、洗浄圧563g/cm2(8psi)が得られます。

洗浄に用いられる生理的食塩水の量は、創の状態によって異なります。壊死組織や異物のある場合、多量の生理的食塩水が必要です。
Q7 相談者 ニックネーム:無記入 患者様(相談対象者) 年齢:無記入 性別:無記入

皮膚の消毒は必要ですか。

A7 回答者:脇坂長興 (創傷治癒センター理事)
これから手術をするような皮膚には殺菌目的で必要です。褥瘡治療の際に創周囲の皮膚は消毒した方が良いとの報告もありますが、消毒よりも石鹸清拭や生理食塩水などの洗浄で汚れを落とす方が一般的です。
Q8 相談者 ニックネーム:無記入 患者様(相談対象者) 年齢:無記入 性別:無記入

創の消毒はしない方が良いですか。

A8 回答者:脇坂長興 (創傷治癒センター理事)
感染の有無に関わらず、消毒は創面に対し細胞毒性があるため創面の消毒は行わず、生理食塩水による洗浄が基本です。消毒剤の中には大食細胞や線維芽細胞を破壊するものもあります。よって消毒剤を直接創面に使用すると創傷の治癒遅延をきたすことになります。
Q9 相談者 ニックネーム:無記入 患者様(相談対象者) 年齢:無記入 性別:無記入

創消毒を行った後に生食で洗浄すれば創部に消毒薬剤を使用しても問題はないですか。

A9 回答者:脇坂長興 (創傷治癒センター理事)
創面に一瞬でも消毒剤が接触すると細胞への障害性があると言われていますので、創部には消毒剤は使用しない方が良いでしょう。
Q10 相談者 ニックネーム:無記入 患者様(相談対象者) 年齢:無記入 性別:無記入

創感染がある場合どのような消毒剤含有の洗浄剤が良いですか?

A10 回答者:脇坂長興 (創傷治癒センター理事)
イソジン、ヒビテングルコネートなどを希釈して創面を洗浄する方法がありますが、低濃度でも細胞への障害性はあります。そのため創感染があっても消毒剤含有の洗浄はすべきではありません。消毒するとすれば創周囲の皮膚のみが良いでしょう。

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