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創傷治癒よくある質問

  1. 生まれつきの変形・奇形
Q1 相談者 ニックネーム:あざらし 患者様(相談対象者) 年齢:10代前半 性別:女性

赤ちゃんの時に受けた口唇裂の傷を目立たなくする手術を受けました。
術後、今2ヶ月経ちましたが、赤みが目立っています。毎日、医師の指示どおり、ドレニゾンテープとマイクロポアテープを貼っています。赤みは減っていくのか不安です。
何か別の治療を受けた方がいいのか迷っています。

A1 回答者:脇坂長興 (創傷治癒センター理事)
整容に関する治療は、手術だけで治療の結果が決まるのではなく、術後のケアや治療まで含めて成り立っています。
術後3か月までは赤みが目立つ時期です。
唇裂の瘢痕修正術ならば、上口唇の組織量をわずかでも無駄にしないよう、極めて繊細な手術と繊細な術後ケアが計画されているはずです。
雅に治療の最中なのですから、主治医に今後の経過予想をお尋ねになり、瘢痕を目立たなくするために主治医の指示に従って頂いた方がよいと考えます。
Q2 相談者 ニックネーム:りんご 患者様(相談対象者) 年齢:10歳未満 性別:女性

両側口唇口蓋裂の2歳の子をもつ母です。
口唇形成の傷跡に関して教えていただけましたら幸いです。

現在口唇形成後1年半を過ぎたところです。傷の赤みはほぼ消えていますが、鼻の下から唇にかけて傷跡が膨らんでいます。
両側ですが片側が不全だったため左右差がひどく、それに加えて傷跡の周囲が膨らんでいる(ケロイド状ではなく、縫い合わせた周囲が膨らんでいる状態です)ため凹凸が気になります。

形成外科の主治医には、もともと組織量が少ないから就学前の口唇修正はしない方向でいこうと言われていますが、この凸凹が目立つ状態で思春期を過ごさせることに抵抗があります。
このような傷跡周囲の膨らみは成長により馴染んでいくのでしょうか?
また手術以外にこの膨らみを軽減させる方法はないのでしょうか?

A2 回答者:脇坂長興 (創傷治癒センター理事)
歯槽骨が口唇を押し上げて「左右差がひどく」見えているとすれば、口唇形成したことで成長とともに歯槽骨の前方への突出が抑えられ歯槽骨アーチの歪みが小さくなるため「左右差」は目立たなくなるでしょう。
縫合線を頂点に「膨らんでいる」なら、口唇の動きと成長に伴い口唇が横方向に引っ張られて瘢痕が幅広いものにならないよう敢えて「傷跡の周囲が膨らんでいる」ように縫合したのでしょうから、時間の経過とともに徐々に「膨ら」みは解消されるはずです。
縫合線は凹んでその左右が「膨らんでいる」なら、縫合線の瘢痕が収縮しているので、瘢痕を切って縫い直す瘢痕形成術が必要です。
「形成外科の主治医」の「就学前の口唇修正はしない方向でいこう」というのは、保育所や幼稚園までは子供の成長を優先させ、小学校に入ってから「思春期」を迎える前に修正術を計画しましょうという提案ではないでしょうか。
口唇裂・口蓋裂の治療は、初診から哺乳、成長、初回手術(口蓋形成・口唇形成)、摂食、発語・構語、歯列矯正、咬合矯正、瘢痕修正、鼻修正(鼻柱矯正・鼻柱形成)、お化粧(カバーメイク)などなど、多岐に長期にわたるものです。
大まかな治療計画はあっても、成長に伴い変化する口唇・口蓋の状態と生活の不便を見極めつつ、それぞれの症状に合わせて治療方針や対処法を補正していきます。
例えば、成人式を目標に定め、骨切りや骨移植などで顔面の骨格を整えたり、上口唇の「組織量」(ボリューム)を増やす手術を計画したりすることもあるのです。
もちろん、ご家族の不安を取り除くため、口唇口蓋裂についての書籍や医学書、同じ症状に悩む家族の会などで一般的な情報を得ることも有用でしょう。
しかし、お嬢さんとご家族にとって大切なのはお嬢さんの症状とお嬢さんの口唇口蓋裂の治療なのですから、信頼していつでも何でも相談できる主治医を見つけることが最重要なのです。
お嬢さんとご家族が将来に不安を持たず笑顔で生活できるように、ご家族の思いを主治医にしっかりとお伝えになって、主治医の考えを具体的に言葉にしてもらいそれを十分に理解なさってください。
Q3 相談者 ニックネーム:カリスマ 患者様(相談対象者) 年齢:40代前半 性別:男性

小さい頃からすでになっていたのですが 鼻の真ん中が凹んでいて鼻呼吸がしづらいです
小さい頃は気にしていませんでした
思春期の頃周りを気にしながら生活をしてました
成人になり徐々に鼻呼吸がしづらく 鼻詰まりで起きたりしますん
アレルギーとかは血液検査しましたがありません
顔を上げたり下から人に鼻を見られるのが嫌です
奇形だと思うのですが 親や親戚から奇形だから国が負担してくれと聞きました
奇形でなら無料で手術してもらえるのでしょうか
今は生活保護を受けています
どこに診てもらえば良いのかを教えて下さい

A3 回答者:脇坂長興 (創傷治癒センター理事)
顔面正中低形成や顔面正中裂の治療は、医療費補助が受けられる可能性があります。
お住まいの地区の行政機関にお問い合わせいただくか、病院におかかりになって医療相談室などでご相談いただくとよいでしょう。
形成外科を受診してください。
Q4 相談者 ニックネーム:ひめ 患者様(相談対象者) 年齢:20代後半 性別:女性

わたしは生まれつき右頬にえくぼ状の穴が空いた状態で生まれました。
ただし貫通はしておらず、皮膚と口腔内の間に袋状のものが形成されていたみたいです。
10歳の頃、その小さな穴からばい菌が入りその穴を大学病院の形成外科で手術して埋めることになり、約2センチほど頬に傷ができました。
その時お医者さんにこの傷はこの先もっと目立たなくすることもできるからね~
と言われたことは覚えていたのですが。
あの時、手術することが嫌だったことと、傷もそこまで目立たなかったので、今までそのままにしていました。ですが、化粧をしてもなんだか最近気になって。
もしこの傷を目立たなくするにはどんな処置が施されるのでしょう?

A4 回答者:脇坂長興 (創傷治癒センター理事)
瘢痕を切除して縫い直す瘢痕形成術の適応でしょう。
形成外科を受診してご相談なさってください。
Q5 相談者 ニックネーム:たなか 患者様(相談対象者) 年齢:10代後半 性別:男性

私は口唇口蓋裂で生まれて、鼻の下から唇にかけての手術跡のことで学校でいじめというほどではありませんが、からかわれてきました。何回か親に相談しようと思ったのですが、この傷痕を気にしていると思われるのが何となく嫌で相談できずにいました。現在私は高校三年生なのですが、大学に入る前に手術跡を目立たなくしたいです。もし手術が可能ならば、手術にかかる期間と費用を教えていただきたいです。

A5 回答者:脇坂長興 (創傷治癒センター理事)
表皮の瘢痕形成術、口輪筋再建まで含めた上口唇全層の手術、上顎骨形成、鼻骨変形修正など、いずれの治療が適当かは、診察をして患者さん自身の希望をお聴きしたうえでなければご提案できません。
形成外科を受診してご相談なさってください。

「何回か親に相談しようと思ったのですが、この傷痕を気にしていると思われるのが何となく嫌で相談できず」にいたという、あなたの気持ちは十分に理解できます。
一方で、ご両親も、なんとなく自分たちからは言い出しにくくて、あなたから治療をしたいという言葉が聞けるのをお待ちになっている可能性もあります。
どんな理由で残ったかにかかわらず、自身の顔の目立つ瘢痕を全く気にしない方はいないでしょう。
勇気をもってご両親にご相談になって、形成外科を受診してください。
治療法は様々ですので、提案されるすべての治療法のメリット・デメリットを理解し、あなたと担当医の話し合いの中で、あなたの希望に最も近い結果が得られる治療方針(治療の組み合わせ)を、時間をかけて検討することをお勧めします。
Q6 相談者 ニックネーム:なつ 患者様(相談対象者) 年齢:10代後半 性別:女性

口蓋裂です。□□整形外科てゆうとこを知って、口の形成がすごく綺麗になっていたんですけどでも韓国にあるらしいんです。それくらい綺麗になるものなんでしょうか。鼻も左右非対称なので、それも治りますか?質問で、こうゆう質問をしていいのか分かりませんが、聞きたかったのでさせていただきました。
(FAQでは医療機関等の名称は非掲載としています)

A6 回答者:脇坂長興 (創傷治癒センター理事)
上口唇瘢痕形成術・口唇形成術の術後成績写真を見る限り満足できる結果と評価できますし、日本の形成外科と同等の結果が得られているようです。
ただし、「口蓋裂」の症例写真が見当たりません。
「口蓋裂」で「鼻も左右非対称」になる原因は、上顎骨や頬骨の成長が左右対称でないことや鼻中隔の湾曲によることが多いので、2次修正手術の際に顔面骨の手術が必要になることも少なくありません。
「口蓋裂」の2次修正は、顔面骨手術、瘢痕形成手術、歯列矯正、咬合矯正、リハビリメイクまでを含めて総合的に検討すべきと考えます。
不測のトラブルに対応できて、長期にわたる通院も可能な医療施設をお選びになった方がよいのかもしれません。
おそらく治療計画の詳細は担当する医師によって異なるでしょうから、複数の形成外科医の意見を訊き、ご自身が最も信頼できるとお感じになった医師を主治医として、治療方針をじっくりとお話し合いになることをお勧めします。
Q7 相談者 ニックネーム:無記入 患者様(相談対象者) 年齢:無記入 性別:無記入

4才になる長女。みつくちの手術を受けてくちびるはよくなったのですが、それに何本か足りないようです。歯の治療を受けてよいでしょうか。

A7 回答者:脇坂長興 (創傷治癒センター理事)
みつくちに伴って、しばしば歯ぐきが割れていることがあります。またこれがひどくなれば、奥まで割れたいわゆる口蓋裂というわけです。このような場合は、当然割れた部分に歯がはえてきません。また、たとえはえてきても不ぞろいになります。歯に関してはあわてて手をつけないで、永久歯にはえかわってから矯正を行なうなり、足りない場合はブリッジを入れるように、歯医者さんのほうではすすめています。もちろん普通のむし歯の治療は、それと関係なく行なってください。最近では子どものむし歯も治療が行き届いて、ほうっておかれることはあまりありませんが、できるだけ歯の状態をよくしておかないと、将来の矯正がますますやりにくくなります。

口蓋裂の場合には、もう一つ別の問題があります。まん中で骨が割れているために、上あごがまん中に押しつぶされたような形になることが多いのです。普通は、口蓋裂の手術としては口の中の粘膜をとじるだけですが、この変形を防ぐために、一時骨を移植したりしたこともあります。しかし最近の考え方としては、適当な時期に顎矯正といって特別な装具で上あごを両側へ押し広げるようにして、欠損部へブリッジを入れてささえをつくればあごの形も正常になり、またよいかみ合わせが得られるようになります。

子どものときの手術が不適当だったり、また矯正が十分に行なわれなかった場合には、おとなになって上あごの変形がひどく目立ってくることがあります。正常人では上の歯が下の歯より前にかぶさっていますが、逆に下の歯が上の歯より前に出ているのを反対咬合と呼んでいます。これは下あごの発達し過ぎた「下顎前突症」に見られますが、口蓋裂の場合には、反対に上あごの発育が悪くて上の歯がうしろに退いた形になってしまうのです。いままでこれを義歯だけでごまかしていました。

最近では、骨切術といって、上あごの骨を切り離して十分に広げ、前方へ移動して、間隙に骨を移植してささえるという手術も開発されました。これはあごの変形を土台からなおすためで、顔豹もドラマチックに改善されますが、なかなか大手術です。
Q8 相談者 ニックネーム:無記入 患者様(相談対象者) 年齢:無記入 性別:無記入

5才の長男です。口蓋裂の手術は成功したのですが、幼稚園の先生から言葉が聞きとりにくいので、言語治療をしたらどうかとすすめられました。

A8 回答者:脇坂長興 (創傷治癒センター理事)
口蓋裂は、1才半で手術をすれば、2才でしゃべり始めるのにまにあいます。ほとんどの場合は自然に、普通にしゃべれるようになります。しかし、手術時期が遅れたり、また元来口の中の筋肉の働きが弱かったりすると、うまくとじたように見えても、しゃべるのに支障が出ることがあります。

いちばん多いのは「開鼻声」といって、鼻に息が抜けて「か行」の発音が不明瞭になるものです。「かきくけこ」が「あいうえお」に近い音になってしまいます。そのほか前歯が欠けていたり、また口の中に傷あとがあったりすると、それぞれに発音障害が起こります。しかしいちばん多いのは、のどの奥がうまくとじない、いまいった開鼻声の問題です。

この問題を専門に分析治療してくれるのが、言語療法士です。原因に応じて、言語治療を行なう場合と、再手術をすすめられる場合とがあります。再手術というのは、まだ口の中が完全にとじていなかったり、筋肉の働きが悪い場合に、手術によってこれを再建する方法です。手術する程ではない場合に構音を手助けするスピーチエイドという器具を上顎につけることもあります。

言語療法というのは、一応できるだけの手術はやったという前提で始められます。まず患者さんのまだ待っている筋肉を、最大限に活用するような練習を行ないます。またこの口蓋裂の患者さんは、みな自分の発声になれてしまっていて、ほかの人のと違うということがわかりません。そういうことで、テープレコーダーなどを使った耳の訓練も必要になります。

言語治療を受けないで、異常な発音のまま大きくなってしまいますと、知らず知らずのうちに正常でない発声の仕方をするようになってしまいます。これを異常構音と呼んでいますが、こういう悪いくせがついている場合には、まずこれをとり除くことから始めなければなりません。

最近ではいろいろな診断技術や、新しい治療方法なども開発されてきました。しかし、言語治療を必要とするお子さんの数にくらべて、言語治療士があまりにも少ないので、だれでもが必ずしも十分な治療が受けられないのが問題です。また、かなり本人の根気と努力がたいせつです。5才くらいならば、いまから治療を始めれば、よくなる見込みは十分にあると思います。
Q9 相談者 ニックネーム:無記入 患者様(相談対象者) 年齢:20歳 性別:女性

みつくちの手術をし、その後、数回修正手術を受けました。くちびるはよくなったのですが、鼻が変形したままです。なおるでしょうか。

A9 回答者:脇坂長興 (創傷治癒センター理事)
みつくちの場合に、鼻の変形が最もなおしにくいのですが、その程度に応じていろいろな方法が可能なので、簡単に説明します。普通よく見られる変形は、みつくち側(患側)の小鼻が押しつぶされたような形になっています。そしてよく見ると、鼻の筋が反対側に、つまりみつくちでなかった側(健側)にゆがんでいます。鼻の中でも、それに従って鼻中隔も健側に湾曲しています。当然、鼻中隔だけでなく、鼻の骨も全体に同じ方向にゆがんでいます。

昔はなるべく簡単な方法で、表にあらわれた部分だけをなおすようにしていましたが、最近では土台から骨を組みかえてゆくような手術も行なわれています。

それぞれの方法を次に列記します。

1.小鼻に限って軟骨のゆがみを矯正したり、多少皮膚の不足を補ったりする方法。

2.1.と同時に鼻中隔のゆがみにも手をつける方法。

3.みつくちのある側(患側)は土台から落ち込んでいる場合が多いので、そこに骨やシリコンを移植して小鼻を持ち上げる方法。

4.骨のゆがみはそのままにしておいて、シリコンでいわゆる隆鼻術に準じて、まっすぐな鼻筋をつける方法。

5.骨切術といって、鼻の骨をばらばらにほぐして組み立てなおしてゆく方法。

これらの方法を、変形の程度の応じて私どもは使いわけてゆきますが、反面、患者さん自身がどこまで徹底的に矯正したいかということによっても治療方針は違ってきます。

いずれにしても、全身麻酔と1~2週間の入院が必要になります。
Q10 相談者 ニックネーム:無記入 患者様(相談対象者) 年齢:無記入 性別:無記入

待望の長男が生まれましたが、みつくちと口蓋裂なのです。手術でなおると聞きましたが、時期はいつごろがよいのでしょうか。また、どこまでよくなるものでしょうか。

A10 回答者:脇坂長興 (創傷治癒センター理事)
最初のお子さんでみつくちと口蓋裂というと、ずいぶんショックを受けられたことと思います。みつくちだけの場合と違って、口蓋裂を伴っていますと、鼻から口の奥まで全部大きく開いてしまって、非常に目立つものです。しかし、適当な時期に適当な手術を行なえば、昔と違ってほとんど正常に近くなりますから、あまり心配しないでください。それぞれの時期に応じて、治療の方法を述べてみましょう。

まず当面は手術をあせらないで、毎日じゅうぶんに時間をかけて哺乳しながら、ある程度の成長を待ってください。さて哺乳ですが、口蓋裂があると吸いつきが悪くて、1回の哺乳に非常に時間がかかります。特別な哺乳びんもありますが、普通は乳首のところを十文字に切って出しやすくします。また、寝かせた状態で飲ませると、鼻のほうにミルクが回ってむせたりしますから、少し起こしぎみにして飲ませます。

そのほかのことは普通の赤ちゃんと全く変わりませんが、ただ多少かぜを引きやすいので注意してください。また中耳炎も起こしやすいのです。私どもは子どもの診察のときは、一応耳ものぞくことにはしていますが、熱を出したときにはのどだけでなく、耳のほうの診察もよく受けてください。

1.3ヵ月
この時期にくちびるをとじます。このころになれば体重も5キログラム以上になり、赤血球の濃度も増して、じゅうぶん全身麻酔に耐えられるようになります。また、顔もそうとうに発育して、手術操作しやすくなります。方法はいろいろありますが、ジグザグのデザインで縫い合わせ、傷のひきつれを防ぎます。糸を抜くのは4~5日で、だいたい1週間か10日で退院できます。
昔は、手術の前にマッサージをしてくちびるの発育を促しましたが、最近はその必要はないとされています。ほかの傷あとの修正と同じように、抜糸をしてから、できれば1ヵ月ぐらいスリーエム・テープをはっておきます。これは傷の保護と同時に、傷が早く目立たなくなるような効果があります。それでもやはり、一時は赤い筋になって、完全に目立たなくなるのに1~2年はかかるでしょう。
その後は、離乳食や予防注射などは普通の赤ちゃんと同じように行なってゆきます。もし両側が割れている場合には、まず片側を先に手術して、1~2ヵ月おいて反対側を手術するようにしています。状態によっては両側を同時に手術することもあります。

2.1年半
この時期に口の中をとじます。やはり10日ぐらいの入院で、全身麻酔をかけます。口の中の割れ目をふさぐのといっしょに、粘膜や筋肉をうしろのほうへ下げて、のどの奥のしまりをよくします。傷あとがおちつくのに半年はかかりますから、2才くらいでしゃべり始めるのにちょうどまにあいます。この2回の手術で一応中も外もふさがったわけですが、口の中は穴があきやすいので、再度の手術が必要になることもあります。また冬はかぜをひきやすく、粘膜のなおりが悪いので、手術を避ける場合もあります。

3.学齢期まで
第1回の手術できれいにくちびるがとじられたようでも、成長とともに多少の食い違いが目立ってきたり、傷あとが残っていたりすることがあります。小学校の集団生活に支障が起きそうな場合には、一応学齢期までに修正を行ないます。最近は技術も進歩してきたので、ほとんどこの必要もなくなってきました。
このころ、しゃべり始めて発音がおかしい場合には言語治療士の診察を受け、必要なら言語治療を行ないます。

4.思春期以降
現在の治療方針では、幼児期に鼻のゆがみには手をつけていないので、成長とともにますます目立ってきます。15~6才になると鼻の形もきまりますので、それから鼻の修正手術を行ないます。くちびるの傷の修正も、必要があれば同時に行ないます。初回手術のとき、同時に鼻も手をつけてよいという考え方もあり、最近ではそのような方法をとる人もふえてきました。それでもやはり15~6才になって、多少とも鼻の修正が必要になるようです。

このように、2~3回の手術を適正な時期に行なえば、程度にもよりますがほとんど見た目にもわからず、また普通にしゃべれるようになります。最も避けてほしいことは、回りで気にするからといって、手術を急がないことです。昔はよく生まれてすぐ手術をして、一応口をとじて家に連れて帰るということが普通でしたが、この時期の手術はどうしても無理があり、あとにひどい傷を残し、修正もむずかしくなります。

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