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創傷治癒よくある質問

  1. 生まれつきの変形・奇形
Q1 相談者 ニックネーム:ゆういち 患者様(相談対象者) 年齢:10歳未満 性別:女性

生後18日目の女の子の父親です。
娘の耳の形について質問なのですが、産婦人科医からは聴力に問題なく、形は個性と言われており、どういった病名かは聞かされておりません。

インターネットで調べたところ、埋没耳かと思われますが耳介の形が症例写真と異なっており、
テーピング等で矯正が可能なものかどうかご相談いただきたくご連絡しました。

A1 回答者:脇坂長興 (創傷治癒センター理事)
「聴力に問題なく、形は個性と言われて」いるならば、外耳道(耳の穴)は閉鎖していないということですね。

「耳介の形」ならば、小耳症、埋没耳、袋耳、折れ耳、副耳などの変形がありますが、「テーピング等で矯正が可能なものかどうか」も含め、直ちに形成外科にお掛かりになって、専門医の説明とアドバイスをお訊きになるべきと考えます。

「テーピング等で矯正が可能」であったとしても、矯正の時期、仕方、細かい工夫など、症例によって治療の詳細は異なるので、画像だけではなく実際の診察が必要です。
Q2 相談者 ニックネーム:KN 患者様(相談対象者) 年齢:10歳未満 性別:男性

息子(1歳2ヶ月)の左耳介折れ耳埋没耳変形に対し、全身麻酔下に耳介軟骨形成手術を受ける事となりました。
大学病院の形成外科を受診し決定に踏み切りましたが、手術が目前に迫り、改めて心配になっております。
と言うのも、先日、手術先となる病院へ術前検査に訪れた際、採血をしましたが1歳の息子の血管が判別しにくいせいか複数回、穿刺を失敗し、看護士もその間に3人変わりました。

予定していた採血は出来ず、何とか微量の血液を摂るのみでした。
そんな状況を垣間見て、当然、耳介形成も決して容易ではないと想像出来てしまいます。
1歳児に対し実施すべきか、手術難易度はどの程度か教えて下さい。

A2 回答者:脇坂長興 (創傷治癒センター理事)
「折れ耳」あるいは「埋没耳」の手術は、全国で多く行われているものです。
形成外科領域では比較的基本的な手技のうちの手術と言ってもよいでしょう。

この年齢にしなければいけない手術というわけではありませんが、成長に伴い耳介軟骨も硬くなりますし、お子さんの関わる社会が広がればお子さんに心的影響を与える可能性もあるのではないかということで、生後6ヵ月~2歳くらいに手術をするのが一般的です。

医療サイドの言葉で大変申し訳ないのですが、「採血」は患者さんと採血者の相性があるのと、一度穿刺してしまうと血管が収縮することもあるので、一度で採血できないと「看護師」が「3人」替わってもなかなか採血できなかったりするものです。

もともと「1歳2ヵ月」の赤ちゃんの「血管が判別」しやすいわけはありませんし、採血できないときにどうしても採血をしようということなら、乳幼児の採血に慣れている小児科医に依頼したりもするのですが、それをせずに「何とか微量の血液」を採っただけで終了したというのは、それ以上お子さんにストレスを与えたくないという臨機応変の判断をなさったのでしょうから、乳幼児の治療にもある程度慣れている施設と考えてもよいのではないでしょうか。

麻酔は専門の麻酔科医が行うでしょうから、手術中の血管の確保も麻酔科が責任を持つでしょう。
治療は手術前処置、手術法と手術手技、術後治療、術後看護、術後経過観察と追加治療、自宅ケアまでを含めて成り立っているものですし、手術はうまくいくことを前提として計画されるものなので「手術難易度」だけが問題なのではありません。

手術が上手くいってもしばらくの間は術後の自宅ケアも大切なので、担当医からしっかりと説明をしてもらい、ご家族が十分理解・納得してよい結果を手に入れてください。
Q3 相談者 ニックネーム:無記入 患者様(相談対象者) 年齢:無記入 性別:無記入

生まれた長男の耳の上半分が隠れていて、袋耳と言われました。手術が必要と言われたのですが、いつごろ受けたらよいのでしょうか。また、手術以外の方法はないでしょうか。

A3 回答者:脇坂長興 (創傷治癒センター理事)
袋耳というのは日本人に特有の耳の奇形で、耳介の上半分が皮膚にうずまった形になっています。片側だけの場合もありますが、程度の差はあっても普通は両側に見られます。原因はわかっていませんが、とくに遺伝関係はないようです。また、その部分の軟骨(耳介のフレームをつくっているもの)も折り曲げられていて、耳介を無理に引っぱり出しても、またすぐうずまってしまいます。

袋耳では軟骨の変形といっしょに、皮膚が足りないので、程度のひどい場合にはやはり手術して耳を起こし、軟骨を矯正して、皮膚の移植が必要になります。程度が軽ければ特に移植をしないでも、その付近の皮膚の移動だけですむ場合もあります。いままでは2~3才から4~5才くらいでこうした手術をしてなおしてきました。

しかし最近の研究では、針金とゴムを組み合わせた装具によって、手術をしないでもある程度矯正できることがわかってきました。この装具で耳を引っぱり出すと同時に、軟骨を矯正した位置にバネを固定しておきます。生まれてからなるべく早い時期に始めたほうが軟骨もやわらかく、皮膚も伸びてくれるで成功率が高いようです。ききめのある場合には、数ヵ月から半年つづければそのあとは、はずしっぱなしにしても、もとに戻りません。半年つづけても効果があがらないものは、手術でなおします。

手術は、普通の場合は1回ですみます。これも小耳症と同じように外観だけの問題なので、髪で隠して本人も気にしないということならば、ほうっておいてもかまわないようです。ただ、おとなになってめがねがかけられないで困るということで、手術をする場合もあります。

そのほかに耳の奇形として「耳垂裂」というのがあります。これは耳たぶが、生まれつき2つに割れています。実は割れているだけでなくて組織も足りません。割れ目を合わせると同時に多少細工をして形をととのえます。手術の時期は特にきめはありませんが、機能に影響がないので、あわてる必要はありません。
Q4 相談者 ニックネーム:無記入 患者様(相談対象者) 年齢:無記入 性別:無記入

赤ちゃんの耳が片方ありません。耳の穴も奥まであいていないようです。5~6才にならないと手術はできないと言われたのですが、手術の方法と、それまでどうしたらよいかを教えてください。

A4 回答者:脇坂長興 (創傷治癒センター理事)
これは「小耳症」と私どもが呼んでいる病気で生まれつきのものです。原因はまだわかっていませんが、遺伝関係はないようです。珍しいとされていますが、どういうわけか日本人には外国人とくらべてはるかに多く見られます。

正常の半分くらいの大きさのものから、小さないぼくらいしかないのまでいろいろな程度があります。全くないというのはまれで、たいていは多少皮膚のこぶみたいなものがついています。耳の穴は奥まであいているものはまれで、へこみがある程度か、全く穴があいていないのが普通です。

たとえ耳の穴があいていても、その奥のいわゆる中耳、内耳と呼んでいる部分の発育が悪いために、無理して外耳道をあけても聞こえはあまりよくなりません。また、穴をあける手術のあとは、うみや耳だれがつづいたり、顔面神経の損傷などのおそれがあります。反対側の耳が正常ならば、聴力に関しては日常生活に全く支障がありません。片側だけの場合には、外耳に無理に穴をあけて聴力を改善しようとする手術は、行なわないほうがよいということになっています。

したがって、手術はもっぱら耳介の再建が主になります。方法に2種類あって、骨組みに本人の肋軟骨を使う方法と、合成樹脂のシリコンフレームを使う方法とがあります。第1回の手術でこの骨組みを埋め込み、同時に外にある耳たぶ状のものを適当な位置に移動します。第2回目の手術で耳介を起こし、裏側に皮膚の移植をして裏打ちをします。実際にはその他に細かい修整手術を必要とすることがあります。

いずれにしても、本人の組織を最大限に利用しますので、ある程度成長してからでないと十分に大きな耳がつくれません。小さいとき無理して中途はんぱな耳をつくっても、つくられた耳は成長せず、あとから植え足してゆくということも困難です。昔は5~6才までは絶対待てといっていましたが、最近ではさらに待ち期間が延びて、むしろ7~8才、あるいは8~9才まで待ったほうがよい耳ができるといわれています。もちろん、おとなになってからでも手術は可能です。

これは、形成外科のうちでも最も高級技術の1つで、非常にうまくゆけばちょっと目にはわからなくなりますが、正常の耳と全く同じというわけにはゆきません。耳というのは2枚の薄い皮が軟骨をはさんでいますが、その全部の厚さが首や背中の皮1枚よりも薄く、それがあれだけ複雑な形をとっているので、移植してつくるということにはやはり最高の技術が必要です。

また、本人の軟骨の一部を取り出し、軟骨細胞を培養し耳介の形を再生する研究が進められていますが、再生した軟骨の強度が弱いことや、移植後吸収されることなどから、まだ実用段階ではありません。

最近のように長髪で耳が隠れて、本人が気にしないという場合には、無理してつくる必要はないでしょう。

外耳道の再建の必要はないといいますが、両側の小耳症の場合は違います。たとえば、中耳、内耳の機能が低下していても、それを最大限に活用するために穴をあけ、鼓室形成術を行ないます。これは耳鼻科の先生の専門の領域です。また片側だけであっても、中耳が中にとり残された形で、中耳炎を繰り返す場合には、やはり炎症の治療の意味で穴あけが必要になります。

これまでの話は、生まれつき耳のない場合でしたが、同じような手術は外傷や、やけどなどで耳を失った場合にも行なわれます。その部分の傷のぐあいにもよりますが、どちらかというとよい皮膚が失われて瘢痕組織におおわれている場合が多いので、生まれつきのものにくらべて手術はむずかしく、結果もあまりよくありません。
Q5 相談者 ニックネーム:無記入 患者様(相談対象者) 年齢:無記入 性別:無記入

先天性耳前瘻孔というのだそうですが、次男の耳のところに小さな穴があって、しばしば化膿します。手術でなおるものでしょうか。また、その時期はいつごろがよいのでしょうか。

A5 回答者:脇坂長興 (創傷治癒センター理事)
顔に何ヵ所か、生まれつきの瘻孔を生ずる場所がありますが、いちばん多いのはこの場所です。普通、耳たぶの上のつけ根の上の部分に多く見られます。見かけは小さな穴ですが、奥が深くて袋になっていたり、耳の軟骨に通じていたり、また外耳道の奥深く通じていることさえあります。しばしば両側に見られます。治療方法はただ1つ、手術をしてとり除くことです。手術の前に十分にゾンデなどで奥行きを調べておきます。そして手術の際は色素を中に入れて、その広がりを十分に確認しながら完全にとり除くようにします。1度取り残しをつくると、2度目の手術は非常にむずかしくなります。子どもの場合には全身麻酔が必要になります。おとなの場合は、浅ければ外来手術も可能ですが、奥深いことが予想されるときは、やはり入院して十分な準備をして手術を行ないます。

手術の時期は特にきめはありません。ただあまり小さいと麻酔もめんどうですし、やはり2~3才以降が無難でしょう。そのままほうっておいて特に危険のあるものではありませんが、ときどきくさい汁が出てきたり、また場合によっては化膿したりしますから、適当なときに取っておいたほうがよいと思います。いったん化膿すると、手術は非常にやりにくくなります。ご質問のように、化膿を繰り返している場合には、手術が必要になります。ただ、化膿したことのないものとくらべて手術がやりにくいことと、現在化膿しているときに手術を行なうと感染が広がりますから化膿していない時期を見はからって手術を受けなければなりません。

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