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創傷治癒よくある質問

  1. 生まれつきの変形・奇形
  1. 腕・手・指
Q1 相談者 ニックネーム:無記入 患者様(相談対象者) 年齢:無記入 性別:無記入

生まれた赤ちゃんの指が1本足りません。移植して指がつくれるという話を聞きましたが、どういう手術をするのでしょうか。

A1 回答者:脇坂長興 (創傷治癒センター理事)
けがで指が切断された場合には、落ちた指をつないだり、また皮膚や骨を移植したり、ほかの指を移植したりという手術はだいぶ成功するようになってきました。

しかし、生まれつき足りない場合は多少話が違います。1つは、ただ指が1本足りないだけということは少なくて、ほかの指も発育が悪かったり、変形していることが多いのです。また1本足りないだけのように見えても、その根元についているはずの筋肉や骨が欠除していることも多いのですが、けがで指がなくなった場合は、土台をつくっている骨や腱は残されています。

そこで、形成手術で指をつくるかどうかきめる前に、手の全体の様子を、現在持っている手の形と機能をレントゲン撮影を含めて、よく検討しなければなりません。右ききと思われる子どもの左手の場合とか、1本足りなくてもあまり不自由を感じない場合は、無理して指をつくることはないでしょう。

また中指に相当する指が足りないときは、しばしば手のひらまで裂けていることがあります。これは裂指と呼んで、親指と人さし指、薬指と小指と2本ずつ別々に動いてしまい、安定がよくないので、指をふやすことは考えずに、割れ目をとじ骨を引き寄せて安定をよくします。指をつくることがどうしても必要なのは親指がないときです。

すでに「切り落とした指はつなげるか」でも説明した通り、親指のつくり方にはだいたい3通りあります。

皮膚と骨を移植して新しくつくる方法
人さし指か小指を移す方法
足の指を移植する方法

いちばん機能的にすぐれているのは2の方法ですが、どうしても5本の指をそろえたいという場合には、3の方法をとることになるでしょう。親指をつくるために、他の指を1本犠牲にする場合もあるくらいなので、親指以外の指が足りないときは、あまり手術の必要性はないといってよいでしょう。
Q2 相談者 ニックネーム:無記入 患者様(相談対象者) 年齢:無記入 性別:無記入

生後1ヵ月の女児。右手の親指が1本よけいにあります。2才ぐらいで手術すると言われましたが、きれいになおるものでしょうか。

A2 回答者:脇坂長興 (創傷治癒センター理事)
指が1本よけいにあるのを「多指症」と言います。どういうわけか親指に多いようです。いろいろな程度があって、根元から完全に2本に分かれているものから、先のほうだけちょっと二またになっている、といったような形のものまであります。

両方の大きさが違う場合には、なるべく小さいほうを取って大きいほうを残すようにします。しかし、大きいほうでも反対側の正常な親指とくらべれば、多少小さいものです。実際には、外側の指を落とすことが多いのです。また2本の指はいっしょになっていてY字形をつくっています。したがってどちらを落としても、指の軸が内側か外側に多少傾斜した形になります。外側の指を落とせば内側に、内側の指を落とせば外側に、多少指が曲がるのはこのためです。また、傷あとのひきつれで、手術した側へ指が曲がってくることもあります。そのほか、腱の問題など、他の要素も関係してきます。腱のつき方によっては両方の指を半分ずつ残して、合わせて1本の指をつくることもあります。

生命に危険はないのと、ほうっておいてもすぐ機能に影響はでてこないので、条件がととのって手術のしやすい大きさになってから(2才以後)、手術をするようにしています。そのころになれば指も十分に成長して、どちらの指を残すべきかの判断もしやすくなります。そして傷あとが目立たないように切開線をくふうして、もし落としたい指にたいせつな腱があればそれを残しておいて、残した指へ移しかえます。程度にもよりますが、うまくゆけばほとんど手術したということはわからなくなります。
Q3 相談者 ニックネーム:無記入 患者様(相談対象者) 年齢:無記入 性別:無記入

生後3ヵ月の男児。右手の中指と薬指がくっついてしまっていて動かせないのですが、手術の時期と方法を教えてください。

A3 回答者:脇坂長興 (創傷治癒センター理事)
生まれつき指がくっついているのを「合指症」と呼んでいます。いちばん多いのは、中指と薬指がくっついている場合です。そのほかの指でも起こり、全部の指がくっついてしまっていることもあります。程度の差はあっても、両手に見られることもまれではありません。また、同じような奇形は足の指にも起こります。
 くっつき方にはいろいろな程度があって、根元のあたりが水かき状の軽いものから、指先まで完全についていて、場合によっては骨もいっしょになっているというひどいものもあります。

手術の時期は、その程度によって2つに分けています。たとえ先までついていても、骨がくっついていなければ、それぞれの指の発育には支障がないので、2才まで待ちます。指を分けるときには、神経や血管を傷つけては困るので、やはりあまり小さいうちは手術がしにくいということもあります。また、程度が軽くても総体的に皮膚が足りないことが多いので、この手術の場合、分けたあとで皮膚の移植が必要となることがあります。これも、発育した指のほうがやりやすい理由です。

骨までついているときは、隣り合った指のそれぞれの成長の度合いが違いますから、ほうっておくと成長の早いほうの指が曲がってくることがあります。そこで、変形に応じて早めに手術をします。

手術でやはり2本の指を分けて、その間に皮膚移植を行ないます。皮膚は、やはり本人の皮膚を使います。普通は鼠蹊部の皮膚を持ってきます。また、つなぎ目が目立たないよう、ジグザグにするなど縫い方もくふうします。もう1つ重要なことは、指のまたを十分に深くつくってよい皮膚でおおっておかないとつれがきたり、水かきになることがあります。全身麻酔で、10日前後の入院は必要でしょう。この手術に限らず、手の手術はなるべく入院して、全身麻酔で行なったほうがよいとされています。

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