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創傷治癒よくある質問

  1. 火傷
  1. 下肢
Q11 相談者 ニックネーム:火傷深Ⅱ 患者様(相談対象者) 年齢:30代後半 性別:男性

熱湯にて右大腿部中心から内側側面にかけて5×20cm程の横長火傷深Ⅱを負ってしまいました。火傷当初は水ぶくれ、黄色浸出液、皮膚表皮剥離、ただれありで流水15分くらいで湿潤療法(アズノールとラップ保護)で5日ほど経ってから改善せず、皮膚科に受診し、クロマイN軟膏とソルベ(消毒)のガーゼ保護で10日ほど対応。その後は、徐々に上皮化するも赤み引かず一部黄色化膿していたので、イソジンシュガー軟膏とガーゼ保護で10日ほど、化膿は見当たらなくなったので、12/16現在ニプロ製のヘパリン軟膏を塗布しています。当然ながら全体的に赤みや一部瘢痕盛り上がりと赤紫の皮膚色をしています。
皮膚科に受診したときは、初期の対応が適切ではないので、跡が残るでしょう。と言われて、やっぱりと思いつつどうにか薄く、出来るだけ跡は残したくはないと願うばかりなのですが、皮膚科は一ヶ月分のヘパリン塗布剤を処方してこれで終わりで来なくていい。と告げられました。
これからの対応として、ヘパリンを追加購入。(零細処方の調剤薬局で購入するか)別のクリニックに受診していくか。市販の保湿系薬剤で対応していくか。悩んでいます。下肢はほかの部位と比べて治りが遅い。と聞いています。半年~数年かけて紫外線になるべく当たらず過ごしていきたいものですが、跡が目立たないようにもとの色に近い皮膚色に近づけるようにしたい場合は、このままヘパリンで目立たなくなるまで塗布し続けていけば良いでしょうか?なにか良い案やおすすめな薬などあれば教えてください。

A11 回答者:脇坂長興 (創傷治癒センター理事)
2週間以内に上皮化した部位はⅡ度SDO、それ以上に日数が必要だった部位はⅡ度DDBの熱傷だったということです。
洋服の上から熱湯を被った場合、先ずは、洋服の上からシャワーなどの流水で冷やす処置が最適でした。
直ちに形成外科におかかりになった方がよかったでしょうが、「15分くらい」の「流水」処置と「アズノールとラップ保護」の「湿潤療法」をなさったのですから、「初期の対応が」全く「適切では」なかったということでもありません。
おそらく、ご自身でケアを続けるうちに熱傷創面が擦れて、組織損傷の深度が進行したのでしょう。
SDBの部位は色素沈着、DDBの部位は瘢痕や拘縮が残る可能性があります。
「皮膚科」で上皮化までの治療をなさったわけですが、色素沈着や瘢痕を残さず「跡が目立たないようにもとの色に近い皮膚色に近づけるようにしたい」なら、直ちに形成外科におかかりになって診察をしたうえで具体的な対処法を指導して貰い、定期的に経過を診てもらい適時・適当なアドバイスを求めてください。
Q12 相談者 ニックネーム:ほし 患者様(相談対象者) 年齢:30代前半 性別:女性

3週間前、電気ケトルで沸かしたお湯が足にかかってしまい、足の脛から足の甲にかけて火傷をしました。お湯がかかった際、長ズボンと靴下を着用していましたが、すぐ脱がない方がいいという知識がなく急いで脱いだために足首の皮膚が剥がれてしまいました。
当日は救急病院で応急処置をしてもらい、翌日形成外科で診てもらいましたが、火傷の重症度等については一切説明がありませんでした。プロスタンディン軟膏とソフラチュールを処方され、毎日お風呂で石鹸を使用し洗ったうえで軟膏を塗り、ソフラチュールを貼付したうえでガーゼで保護し包帯で固定するよう指示されました。
初回から週に1回受診するように言われたので指示どおり受診していました。2回目に受診する頃には足の甲の水ぶくれがおさまりかけてきていたのですが、病院の帰りに歩いていると痛みが増し始め、次の日にはほぼ萎んでいたはずの水ぶくれがまた膨張していました。最初に水ぶくれができたときのリンパ液の色とは違い、茶色く濁った液が溜まっており、初期よりも痛みが強いように感じました。ガーゼをしていても液が大量に浸み出し、血も混じっていました。痛みも液の量もその時が1番多かったです。その後水ぶくれに穴があいたことで中に溜まっていた液が外に出て、その後痛みはなくなりましたが、赤みが増し、赤黒いような色になってしまいました。
痛みが出た日病院で巻いてもらった包帯がきつく、病院から帰る際歩いていると擦れる感じがしていたので気になっていましたが、病院で巻いてもらったのだからこれが正しい巻き方なのだろうと思っていました。しかし、こちらに掲載されているQ&Aを拝見していると、擦れることにより火傷が進行するとあり驚きました。受診した際擦れないようにという指示はなく、こちらから気をつけるべき点を教えてほしいと聞いたときにも教えてもらえませんでした。普通に歩いても大丈夫なのかと質問したら特段問題ないとも言われました。しかし、今思うとあのとき擦れている状態のまま歩いていたために水ぶくれが再発し、濁った液がたまり、結果傷の状態が悪くなったのではないかと思っています。
後日先生に質問しましたが、液が濁ったのは老廃物のようなもので特に問題ないと流されました。

長くなってしまいましたが質問は以下のとおりです。
①擦れたせいで状態が悪化したのでしょうか?跡が残りやすくなるでしょうか?
②火傷から3週間たち、傷は塞がり上皮ができてきているようですが、色は赤く、ところどころ薄茶色が混じっているような状態です。これは経過として問題ないでしょうか?

今は水ぶくれの下に上皮ができてきたようで、水ぶくれだった皮は徐々にめくれて剥げてきていますが、痛みとまではいかない痺れのような違和感があります。
今後も同じ病院に通っていていいのか不安に感じています。皮膚ができていれば症状は徐々に落ち着いてくるのでしょうか。跡が残りやすくなるのではないかと心配しています。

A12 回答者:脇坂長興 (創傷治癒センター理事)
下腿および足の熱傷は、他の部位に比べ治癒までに日数がかかる傾向があります。
また、下腿の熱傷は浮腫みやすいので、歩行時などに履物で足背が擦れるということは珍しいことではありません。
受傷から3週間経過して上皮化が完了しているなら、Ⅱ度SDBの熱傷が感染を起こすことなく順調に治癒したとお考えになっていただいてよいでしょう。
少なくとも3~6か月間は熱傷後の炎症性色素沈着が起きやすい時期ですし、上皮化に2週以上かかった部分は肥厚性瘢痕になったり色素脱失が生じたりするかもしれません。
上皮化後は、保湿と圧迫のケアは必須です。
おかかりになっている形成外科でもほかの形成外科でも構いませんが、瘢痕を気にせず生活できるようになるまで、定期的に形成外科で経過を診てもらい、適時・適当な自己ケア法や治療法を提案して貰ってください。
Q13 相談者 ニックネーム:ちぃ 患者様(相談対象者) 年齢:40代前半 性別:女性

10日前にカールアイロンを足に落としてやけどしました。
足首に水ぶくれができて潰れてしまったので受診。2度の火傷と診断されて クロマイーP軟膏を処方されました。
塗るうちにやけどの周囲が痒く、火傷から周囲2センチほど被れてしまいました。
再度受診し、薬が合わなかったとの事で エキザルベを処方されました。
2日程は落ち着いたのですが 一昨日から再び 火傷の周りの湿疹が広がりはじめ、痒みも続いています。今は火傷の3倍以上の面積が被れています。
やけどからではなく、周囲の湿疹から黄色い汁が出てガーゼから滲み出る程です。
また薬が合わなかったのでしょうか?
同じ病院にかかり続けて大丈夫なのか不安です。

A13 回答者:脇坂長興 (創傷治癒センター理事)
外用剤が「合わなかった」のではなく、浸出液によるかぶれです。
足や下腿の熱傷は、熱傷の治療に慣れている専門の医師におかかりになった方がよいでしょう。
形成外科を受診してください。
Q14 相談者 ニックネーム:リョウ 患者様(相談対象者) 年齢:40代前半 性別:男性

約3週間前に脱毛サロンにて施術を受けたあと、施術箇所(両太腿から足の甲にかけて)がはっきりわかるような形で火傷を負いました。
1週間ほど前から火傷箇所の皮がめくれ始め、完全にめくれた部分は真っ白な状態です。
このまま放置して問題ないでしょうか?
また、広範囲にわたり色むらがあるため肌の露出(短パンを履く)かある際にファンデーションを塗る等して白い部分を目立たなくしてもいいものでしょうか?
あと、色むらがなくなるまでどの程度の期間が必要と考えればよいでしょうか?
色むらの消失を促進するような対策(塗り薬や飲み薬等)があればあわせてご教示いただきたく存じます。

A14 回答者:脇坂長興 (創傷治癒センター理事)
申し訳ありませんが、熱傷の重症度が明確でないため回答が出来ません。
診察をしなければ具体的なアドバイスが出来ないので、形成外科を受診してご相談なさってください。
一般論として、表皮剥離のないⅠ度熱傷は表皮層までに留まる熱傷なので、「ファンデーションを塗る等して白い部分を目立たなくしても」構いません。
また、「色むらがなくなるまで」3か月以上必要なことも少なくありません。
Q15 相談者 ニックネーム:A.K 患者様(相談対象者) 年齢:40代前半 性別:女性

1週間に両足に熱湯がかかり、皮がめくれてしまうほどのレベル2のやけどをしてしまいました。
1日おきに皮膚科に通い、軟膏たっぷりのガーゼと酷い所はかけるスプレーをして、軟膏たっぷりガーゼをあてて、包帯ぐるぐる巻き状態です。
傷は、だいぶ回復傾向にありますが、まだ様子見です。当初の痛みとだいぶ変わってきていますが、
自宅療養中で、いま1番激痛が来るのが、横になってから立ち上がろうとする時が激痛です。10秒以上続きます。
立ち止まっている時もジンジン痛いです、
看護師さんに血流の変化?!ではないか?!と言われました。正しくはわかりませんが、
この激痛はいつまで続くのでしょうか??
仕事復帰考えているのが、あと1週間後の予定で考えてます。

A15 回答者:脇坂長興 (創傷治癒センター理事)
浮腫みによる「痛み」です。
上皮化が完了するまで「激痛」はあるでしょうし、上皮化後も浮腫むと「痛み」が生じます。
「熱傷」は受傷したときだけで重症度が決まるのではなく、治療経過途中で感染を起こしたり擦れたりすることでさらに重症化します。
上皮化完了まで出来るだけ動かない方がよいでしょう。
足背に「熱湯がかかり」「皮がめくれてしまう」Ⅱ度DDBの熱傷を受傷したなら、順調に上皮化しても2週間程度はかかるはずです。
早急な「仕事復帰」はお勧めしません。
また、下肢の熱傷は、治癒後もサポーターや弾性ストッキング・着圧ストッキングなどが必要な場合があります。
診察をしなければ熱傷の部位、範囲、重症度が把握できないため、明確な回答が出来ません。
申し訳ありませんが、日常生活や自宅ケアの注意点やアドバイスは、おかかりになっている「皮膚科」でご質問なさってください。
治療や治癒後の生活について具体的な回答が得られないようなら、熱傷を専門に診る形成外科などをお探しになることもご検討なさってください。
Q16 相談者 ニックネーム:ミミ 患者様(相談対象者) 年齢:40代前半 性別:女性

今月6/21 深夜 鍋で煮込んだうどんを、右足の甲にかぶりました。
右足の指、甲が赤く腫れ上がり、水疱ができて激痛でした。すぐにタライに冷水を入れて足を冷やしました。冷水に足をつけていれば痛みが治っていたので、深夜なこともあり、翌日の朝まで待ちました。
しかし、水から足を離すと激痛だったので、一晩中冷やしている状態でした。6/22翌朝、近くの皮膚科で治療してもらい、Ⅱ度熱傷と診断され、その日はクロベタゾールプロピオン酸エステル軟膏0.05%を塗り、包帯を巻いてもらいました。6/23には痛みが引いたので、プロスタンディン軟膏0.003%を塗ってもらい、普通に歩いて帰れる位までになりました。しかし、火傷から3日目の6/24、歩こうとすると、右足の火傷部分が脈打つというか、締め付けられるような痛みが現れました。その症状は歩こうとした時だけ起こり、座ったり、横になっていれば全く痛くはありません。火傷から2日間は歩けていたのに、突然3日目から歩けない程の痛みが起こることはありますか?火傷から5日目の6/26に再度受診した日に、上記の症状を医師に伝えたのですが、「火傷だからね」としか教えてもらえませんでした。
心配になり、感染の可能性はないか尋ねたら、「皮膚を見る限りでは、感染はしていないと思う」とし、とりあえず感染の検査をしてもらいました。
結果は一週間後ということで、その日は念の為、抗生物質の服用としてケフラールカプセル250mgを処方されました。鎮痛剤として火傷の当日にロキソプロフェンナトリウム錠60mgを処方されていたので、痛い時に服用していましたが、現在の症状には抗生物質も鎮痛剤も効き目がなく、歩行時の痛みは続いています。火傷の経過として起こる症状なのか、安静にしていればいつか治るのか、それとも他の病院に行った方が良いのか分からず不安です。

A16 回答者:脇坂長興 (創傷治癒センター理事)
熱傷後の血管拡張による浮腫み症状です。
上皮化が完了するまで、足をついて歩いてはいけません。
可能な限り、足は高く上げておいた方がよいでしょう。
歩行は、松葉杖などをお使いになることをお勧めします。
主治医に症状を伝えて処置をしてもらうだけでなく、日常で何をしていいか何をしていけないかを具体的にしっかりとお尋ねになってください。
Q17 相談者 ニックネーム:令和のうさぎ 患者様(相談対象者) 年齢:40代後半 性別:無記入

3/18日ヤカンの熱湯をこぼし右足に火傷をしてしまい夜間診療にて応急措置、その後見立てとしては二度の熱傷と言われました。土曜日とゆう事もあり、翌週の月曜日、再度形成外科を受診してと助言され月曜日に受診しました。
土曜日には無かった水疱も大きくなり、月曜日に水疱の皮を除去してもらいました。そのときにワセリンと、メロリンガ-ゼにて保護治療。
感染症予防の為、一日2回は洗浄と交換をして保湿を保ってと指導されました。
そこで二回の洗浄方法ですが、毎回ボディーソープや石鹸で洗って綺麗にしてくださいと言われたのですが、一日2回も石鹸で洗うと只でさえ、肌バリアが無いのに良い皮なども落ちてしまうような気がするのですが、これは普通に石鹸を毎回使用しなければいけないのでしょうか?
夜はお風呂でボディーソープを使用するので、分かるのですが、朝の取り替えの洗浄もボディーソープを使用するのに少し抵抗があります。
3/23日時点でも、毎回メロリンが-ゼに黄色い体液が付きます。量も同じような感じなので、少し不安で相談させて頂きました。

A17 回答者:脇坂長興 (創傷治癒センター理事)
一般的には、汚染されていない熱傷創の洗浄に毎回「ボディーソープや石鹸」を使わなくてはいけないということはありません。
ただし、実際に診察で創状態を確認した「形成外科」の医師が、「一日2回」「ボディーソープや石鹸で洗って」、「ワセリンと、メロリンガ-ゼ」で「保湿を保ってと指導」しているのですから、その通りになさって構わないと考えます。
熱傷という特殊な条件の治療に際して、健常な肌の保湿能力を指す「肌バリア」という美容用語にとらわれない方がよいでしょう。
「一日2回」の「ガーゼ」の交換の主目的は「感染症予防」ではなく、「ワセリン」による「保湿」ではないでしょうか。
また同時に、「感染」や擦れが無いことを確認して頂いているのでしょう。
「黄色い体液」が乾いて「メロリンガーゼ」が創面に張り付かないためにたっぷりと「ワセリン」を塗ることになるので、たっぷりの「ワセリン」を洗い流すために「ボディーソープや石鹸」を使っていただくよう指示があったのではないでしょうか。
近日中に再診の指示があったはずですし、浸出液が減った段階で閉鎖湿潤療法に移行するつもりなのかもしれません。
おかかりになっている「形成外科」の医師の治療方針が判らないので、具体的なアドバイスは出来ません。
現在の創状態の評価、治療方針、今後の経過予測など、疑問点・不安点は全ておかかりになっている医師にお尋ねになってください。
Ⅱ度SDBならばおよそ2週間以内に上皮化しますが、足背は擦れや乾燥、感染を比較的起こし創状態を悪化させやすい部位なので、日常生活にも気を付けて慎重に治療なさってください。
Q18 相談者 ニックネーム:おこママ 患者様(相談対象者) 年齢:50代後半 性別:女性

ダルマストーブにぶつかり、やかんの熱湯を左もも裏とすね全体と足首に浴び、自宅で冷水シャワーを浴びた後皮膚科を受診しました。
当日は1度との診断でした。その後水脹れを破ることを含む手当を自宅で続けています。

当初から痛み止めを服用し1週間が経ちました。足を高く上げていると楽なのですが、下ろした時は激痛を伴います。また、手当中の無理な開脚や無理な歩行により股関節の負担が日々強くなるので困っています。

担当ナースに相談したら、『動かないことも原因になっているかもしれないのでじっとしていてはいけない、極力動きなさい』と言われました。
特に症状がひどい足首は動かすたび包帯が食い込むように強い負担がかかり、夕方になると足首がむくみ、動かすことは大きな苦痛です。

Q1. 脳のリハビリは早くから始めた方がいいとは聞きますが、ヤケドの場合も必要なのでしょうか?逆に治癒が遅れるような気がしています。

Q2. 動くこと前提であれば、締め付けられた包帯が食い込まないように足首だけでも緩く巻いても良いものでしょうか?

今この時期に動かないことはリスクになるのでしょうか?
日常どのように過ごすのがいいのか、ご教示お願いいたします。

A18 回答者:脇坂長興 (創傷治癒センター理事)
「水脹れ(水疱)」が出来ている部位はⅡ度SDBです。
上皮化が完了するまで、安静にしておくべきです。
もちろん「足を高く上げて」おいて構いませんし、むしろその方が浸出液も少なく治癒が早いでしょう。
ガーゼや包帯で擦れると熱傷深達度が進行するので、「包帯が食い込まないように」してください。
湿潤療法の熱傷治療に精通した病院で治療するのが、熱傷治療のベターチョイスです。
関節部にかかる熱傷は瘢痕を残さないように特に注意が必要ですから、最新の熱傷治療法に精通した病院で治療してください。
Q19 相談者 ニックネーム:ジーニョ 患者様(相談対象者) 年齢:20代前半 性別:女性

5日前の水曜にバイクのマフラーでふくらはぎの後ろを火傷をし、水と氷で冷やした後に水ぶくれが出来る前にキズパワーパッドをドラッグストアで買い受傷日に貼りました。翌日木曜、水ぶくれが出来ていてキズパワーパッドも白ではなく肌の色のように、茶色で膨らんでいました。剥がしていいのかも分からず病院に行く時間も無かったためキズパワーパッドは貼ったままでした。受傷してから2日後の金曜に皮膚科に行き、キズパワーパッドを取ってもらった際に水が大量に出て、病院で塗り薬2つを貰い、ガーゼを被せて貰いました。病院を出てからは塗り薬の上に被せるものを貰っていないのでキズパワーパッドに似たようなモイストヒーリングと書いてあるものをしばらく貼っていました。1日に3回ほど張り替えと薬を塗り土日を過ごしました。本日月曜になって、歩くと痛みが出ます。
長々と説明させてもらいましたが、家庭での処置の仕方が間違っていたのでしょうか。また、ハイドロコロイドを貼る前に軟膏など病院でもらった塗り薬を塗るのは良くなかったのですか?
また病院にかかるとすれば、同じ病院に行くべきなのか、別の皮膚科に行くべきなのか、形成外科に行くべきなのか教えていただきたいです。

A19 回答者:脇坂長興 (創傷治癒センター理事)
湿潤療法用の創傷被覆材は、浸出液の中に含まれる創治癒を促進する成分(細胞成長因子など)を創面に接して貯留させておく役割があります。
したがって、熱感、赤み、腫れ、疼痛の増強などの感染兆候がなければ、創状態を直接観察するとき以外は、湿潤療法用の創傷被覆材を貼り換える必要はありません。
創面からの浸出液が多すぎる場合、漏れ出した滲出液で創周囲の皮膚がかぶれてしまうので、湿潤療法専用の創傷被覆材を使えなかったり、貼り換えざるをえなかったりすることもあります。
皮膚科で処方された外用薬の成分と目的が明確でないので、ご相談の外用薬使用の是非はコメントできません。
歩行時の痛みは、感染によるもの、浮腫みによるもの、擦れによるもの、いずれか診察をしなければ判断が出来ません。
一方的な決めつけにはなりますが、自宅でのケア法を患者さんに詳細に明確に伝えることが出来ない病院は、創傷の治療を任せる施設として適していないと判断すべきでしょう。
皮膚科でも形成外科でも構わないので、受診の際に創の現在の状態と今後の経過予測を説明してくれ、更に治療方針と自宅での治療法を具体的に指導してくれる病院におかかりください。
受診して、違うと感じたら、病院を替える勇気も必要です。
Q20 相談者 ニックネーム:ステラ 患者様(相談対象者) 年齢:10歳未満 性別:女性

6歳のこどもです。1週間前にお茶の入ったコップを落とし、大腿部に子どもの掌サイズの火傷をおいました。すぐに冷やして近くの病院に行きましたが、ソフラチュールと消毒の処置と抗生物質が処方されました。何とか湿潤療法で治したいと思ったのですが、近くに病院がなく他の皮膚科を訪ねました。そこでは軟膏をたっぷり塗ったガーゼ、フィブラストスプレーの処置でした。思っていた湿潤療法ではありませんでしたが、他に病院もわからず、その病院の受診を続けています。負傷後1週間が経ち、先生は経過は順調だとおっしゃっていますが、今度は傷痕が心配です。傷としては負傷後翌日に全体的に薄い水膨れができ、2日後に1円玉くらいの大きさで敗れて穴が空いてしまっています。先生にきれいに治りますかと尋ねたところ、きれいに治しましょう。と微妙な回答をされ不安になっています。このままの治療を続けていいのでしょうか。

A20 回答者:脇坂長興 (創傷治癒センター理事)
上皮化を早め上皮化後の瘢痕の質感の改善までを考慮した、トラフェルミンと軟膏によって創面の湿潤環境を保った閉鎖療法です。
Ⅱ度熱傷(SDB)に対して、フィブラストスプレー噴霧、軟膏ガーゼの処置は、日本熱傷学会の熱傷診療ガイドライン改訂第3版でエビデンスレベルⅡ、推奨度Aとして強く推奨する治療法です。
外傷や熱傷は治癒・上皮化後の瘢痕がほとんど目立たなくなることはあっても、瘢痕が全く無くなることはありません。
きれいに治しましょうという言葉は決して微妙な回答ではなく、熱傷治療の臨床に携わる医師として、過剰も不足もない抑制のきいた極めて冷静な表現と考えます。
おかかりになっている皮膚科で、そのまま治療をお続けになってもよろしいのではないでしょうか。

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