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創傷治癒よくある質問

  1. 帝王切開・出産時の手術
  1. 胸・脇・腹・背・腰など
Q1 相談者 ニックネーム:くる 患者様(相談対象者) 年齢:30代前半 性別:女性

2ヶ月ほど前に、予定帝王切開で出産しました。
手術はとても上手な先生だったのか、術後もあまり痛まず、5日目には上の子12kgを抱いてスタスタ歩いて帰宅できるほどでした。

17cmほどの横切りで、傷口は埋没縫合(と言うのでしょうか?)になっていて、抜糸もいらず、表からは糸が見えないようになっています。
退院後すぐ、テープかぶれを起こしましたが、商品をフィルムに変えて、毎日保湿と貼り直しをくり返していたら、あっという間に落ち着きました。
今ではピッタリと綺麗にくっついていて、傷口の一本の薄赤い線以外は周りの皮膚と色も変わらず、盛り上がりもほとんど感じられません。

気になっているのは、溶ける糸が分解・吸収されるのはいつ頃なのか、本当に全てが溶けてなくなるのだろうか、という点です。
皮膚の上から、傷の内側を ぐるぐるぎゅっと縫ってある糸が触れられるのですが、この波波ボコボコとした手触りは、そのうち無くなるものなのでしょうか。
なんとなく、湿潤な内臓(子宮)の糸は溶けて吸収されるのだろうな、ということが想像できるのですが、皮膚表面のすぐ下にある糸は、溶けにくいようなイメージをしてしまいます。
また、このボコボコとした糸の部分が下着に触れると(痛くはないものの)やはり気になるので、無くなればいいのになと思っています。
形成外科など、かかってみた方が良いでしょうか。

大きな総合病院で出産したので、予約もいっぱいで待ち時間も長く、些細な心配事ではなかなか相談できません。
傷の今後の見通しについて、ヒントをいただけるとありがたいです。

A1 回答者:脇坂長興 (創傷治癒センター理事)
皮下の「埋没縫合」の縫合糸は、「溶ける糸」(吸収糸)の場合と溶けない糸(非吸収糸)の場合があります。
術者は、創状態から吸収糸を使うか非吸収糸を使うかを判断します。
また、素材と形状の異なる数種類の吸収糸があるため、様々な条件を総合的に判断して使用する縫合糸が決定されています。
吸収糸の多くは、縫合創を開く方向に緊張がある場合数日~数週間で切れてしまいますが、吸収糸が完全に吸収されるには数か月~数年の経過が必要です。
非吸収糸で「埋没縫合」をしても、組織反応性の極めて低い素材の縫合糸のため、生涯を通じて皮下に残ることに問題はありません。
「皮膚の上から」触れる「ぐるぐるぎゅっと縫ってある糸」が吸収糸でも非吸収糸でも、「波波ボコボコとした手触りは、そのうち無く」なります。
ご心配ならば、形成外科を受診して、「帝王切開」から、3か月目、6か月目くらいに経過を診て貰い、マッサージなどの指導を受けるとよいでしょう。
Q2 相談者 ニックネーム:さんさん 患者様(相談対象者) 年齢:30代前半 性別:女性

10日ほど前に第三子を初めて帝王切開で出産しました。
痛さがあり触らないようにしていたため気付きませんでしたが、横切りの傷少し左上の一部が感覚が鈍感になっていて氷をあてても冷たさを感じずまだ麻痺している感覚です。右はつねると痛さを感じますが左だけ感じません。
お腹の膨張感というか張ってる感じもあり
帝王切開が初めてだったためこういうものなのかと思いましたが一度産院に電話で聞いてみると
帝王切開後はそういう方が多いが時間がたつと治ると言われました。そういうものなのでしょうか?違う病院で一度見てもらった方がいいのでしょうか?

A2 回答者:脇坂長興 (創傷治癒センター理事)
腹壁の知覚は、脊髄神経の末梢枝によって支配されています。
妊娠中に腹部が極端に伸展されたり、帝王切開で末梢知覚神経が切断されたりすると、限局的な知覚鈍麻や知覚消失が起こります。
「帝王切開後はそういう方が多い」かどうかは産科医にお尋ねいただくとして、知覚神経末梢の損傷は時間の経過とともに回復することがほとんどです。
ご心配なら、担当の産科医師にご確認いただくかペインクリニックを標榜する麻酔科で診ていただくとよいでしょう。
Q3 相談者 ニックネーム:ぴ 患者様(相談対象者) 年齢:30代後半 性別:女性

3年前に帝王切開しました。
しゃがんだ時、ベルトなどで圧迫されたり傷跡をのばすような格好をすると、ヒリヒリ痛みます。
婦人科に相談した方がいいのでしょうか?

A3 回答者:脇坂長興 (創傷治癒センター理事)
瘢痕が原因の痛みでしょう。
瘢痕治療の適応がありそうです。
帝王切開をしてくださった産科主治医に相談するなりして、形成外科を受診してください。
Q4 相談者 ニックネーム:エカチェリーナ 患者様(相談対象者) 年齢:30代前半 性別:女性

産後3ヶ月です。
吸引分娩で出産し、斜め方向に大きめに会陰切開がなされたと聞きました。
2週間健診で、傷が開いて感染しており、再縫合はできないので二次治癒を待ちましょうと言われました。
抗生剤を合計3週間ほど飲み、現在は感染は治っています。
やっと赤色のジュクジュク感が消え、膣の横に、赤くズル剥けのような皮膚がある状態です。
毎日3回痛み止めを飲んでいますが、歩くと傷の痛みが勝ってしまい、ほとんど歩けません。
医師からは「時間がかかるがだんだん皮膚が元の色に戻る」と言われていますが、いったいあと何ヶ月くらい痛みと付き合わなくてはいけないのでしょうか。
何ヶ月くらいで皮膚がだいたい元通りになると考えてよいのでしょうか。
感染が治ってからも、月に1,2回、産婦人科を受診しています。
また、産後、重度の貧血で、入院中に点滴をしてもらいました。
傷の離開については「産後の貧血で細部まで血が行き届かなかった」と言われていますが、このように離開するという事態を防ぐことはできなかったのか、疑問に思っています。

A4 回答者:脇坂長興 (創傷治癒センター理事)
「会陰切開」の縫合創の「離開」は、少なくありません。
「感染」の合併も要因の一つですが、妊娠・出産に伴う「貧血」と血液凝固系の変化が創傷治癒を妨げます。
「歩くと」生じる「傷の痛み」が、「膣の横に、赤くズル剥けのよう」になっている表皮欠損創が擦れるためなのか、「二次治癒を待」って形成された肉芽がしこりになっているためなのか、頂いた情報からは判断が出来ません。
安静時も「痛み」があるなら、上皮化しても、しこりが軟らかくなるまで、治癒後3(~6)か月程度「痛み」が継続する可能性があります。
時間がかかっても「産婦人科」で治療を継続するのが通常ですが、主治医に相談して一度、形成外科で診て貰ってはいかがでしょう。
Q5 相談者 ニックネーム:ORM 患者様(相談対象者) 年齢:30代後半 性別:女性

4年半前に帝王切開で出産しました。縦に切りました。
1ヶ月ほど前からおへその下と傷の一番上の間がカチカチに固くなり大きめのシコリのように感じられ、痛いです。皮膚ではなく、中の痛みです。触っても痛いし、触らなくても痛みを感じる時があります。産婦人科で一度相談したところ子宮には異常無しで、帝王切開にはつきものということでした。しかし痛みが続くので気になっています。これは形成外科に行ってもう一度確認した方がよいでしょうか?4年も経って突然こういった症状は出てくるものでしょうか?

A5 回答者:脇坂長興 (創傷治癒センター理事)
「帝王切開」から「4年も経って」いても皮下瘢痕の線維化の可能性は完全には否定できませんし、非常に稀ですが今後、生理周期に伴い症状が悪化する様なら腹壁子宮内膜症も考えられます。
また、「帝王切開」と関係なく、尿膜管膿瘍や臍炎かもしれません。
超音波検査で皮下の「シコリの様」なものを診てもらうとよいでしょう。
診察をしなければ具体的なアドバイスが出来ないので、「一度」「形成外科」を受診して診断を確定してもらい、治療が必要か、自己ケアで対処できないか、治療をするならどんな方法があっていつ治療をするとよいかなどご相談なさってください。
Q6 相談者 ニックネーム:kei 患者様(相談対象者) 年齢:30代前半 性別:女性

1月の下旬第一子を緊急帝王切開で出産しました。その後出血が止まらず輸血をするため近くの大学病院に緊急搬送され、4リットル輸血し、一命を取り留めました。
術後1週間炎症が治らず、子宮の縫った場所が腐って開いてきているとの事で再度開腹手術しました。その後膿が溜まってしまったので再手術。CTドレナーゼにて膿を取ってもらいました。20日間の入院の後退院しましたが、産後4ヶ月経った今でもたまに傷口から滲出液が出てくることがあります。少し痛みもあります。
生理前には傷全体が痛みます。我慢できる程度ですが。
ついには今日血が出てきたので、不安になり相談させて頂きました。
ただ、血と言っても濃い血ではなく滲出液に血が混ざっているような色です。
病院に行っても様子を見てとしか言われない気がするのでまだ行っていません。
出てくる場所は帝王切開の傷口の自分から見て左端です。
今ふと思い出したのですが、ここの場所は入院の後半、最後までかなり滲出液の染み出しが多く、1日に何度もガーゼを変えていたところでした。
きっと治癒の過程なんだろうと思いつつも、病院に行くほどではないけど相談できる場所があるのであれば聞いてみたいと思い、相談させて頂きました。

A6 回答者:脇坂長興 (創傷治癒センター理事)
超音波検査やMRIあるいはCTなどで確認の必要がありますが、皮下膿瘍でしょう。
子宮弛緩出血に伴う後腹膜領域に及ぶ膿瘍ではないので、産科としては「様子を見て」という対応になることもあるのかもしれません。
血流の不良による皮下脂肪融解が原因でしょうから、同様の症状が今後も継続する可能性があります。
産科担当医に依頼して形成外科を紹介して貰ってはいかがでしょう。
Q7 相談者 ニックネーム:はる 患者様(相談対象者) 年齢:30代前半 性別:女性

帝王切開での手術後、2ヶ月間アトファインのテープで保護し、5日ほどで交換して清潔を保ち、傷も綺麗に回復してきました。
ところが先程テープを剥がそうとしたらテープにシミがついており、剥がしてみると切ったところに小さな穴のようなものがあり、少し液体が出てきていました。
テープは貼らずに乾燥させるべきでしょうか?
また、どのような理由で起こったことですか?
今後もまた起こりそうなことでしょうか?

A7 回答者:脇坂長興 (創傷治癒センター理事)
縫合糸膿瘍の可能性があります。
手術をなさった病院あるいはご近所の婦人科などを受診してください。
Q8 相談者 ニックネーム:ももだんご 患者様(相談対象者) 年齢:30代後半 性別:女性

3ヶ月前に2回目の帝王切開で二人目を出産しました。
担当医に癒着があったので、子宮が薄くなっています、三人目はリスクが高いので辞めといた方がいいとの事でした。
臍の下らへんやお腹付近がチクチクしたり、張った感覚があります。朝起きた時特にお腹ぎ張っている感覚になりキズ口もズキズキします。
また癒着している気がしますが痛みはなくなるんでしょうか?やはり三人目は諦めるべきですか?

A8 回答者:脇坂長興 (創傷治癒センター理事)
症状を整理してお考え下さい。
睡眠中の消化管の動きが良くないせいで、「朝起きた時特にお腹が張っている感覚に」なります。
「3か月前」の「2回目の帝王切開」が関係しているかは、明確ではありません。
腹壁の瘢痕に緊張がかかっているために「キズ口」が「ズキズキ」するのでしょうから、6か月ほど経過すれば症状がなくなることが殆どです。
一方、「臍の下らへんやお腹付近がチクチクしたり、張った感覚」があったりするのは、手術に伴う子宮など臓器の癒着によるものかもしれないので、症状が消褪するかは産科医師にご確認なさってください。
また、「子宮」の「癒着があった」ことと「子宮が薄くなって」いることは、直接の関係はありません。
「子宮が薄くなって」いるため、妊娠中に子宮の筋肉層の損傷が起きる可能性や出産時に子宮収縮の異常が生じる可能性があると考えて、「三人目はリスクが高いので辞めといた方がいい」という産科医からのアドバイスなのではないでしょうか。
再度の妊娠をご希望なら、産科医にしっかりとご相談なさるとよいでしょう。
Q9 相談者 ニックネーム:くう 患者様(相談対象者) 年齢:20代後半 性別:女性

3ヶ月前に溶ける糸を利用し 帝王切開で出産しました。
なんとなく傷跡の写真をとると 傷跡の真ん中のちょい上あたりに 小さい穴のようなものがあり(1cm未満) 中に白い塊のようなものがありました。
気になって触っていると 白い塊がとれ 出血し じゅくじゅくしたかんじになっています。
このような状態から 考えられるのは なんでしょうか?
また病院へ行く必要はございますか?
今後こういった症状がでたら 病院へ行くべきなどの目安などあれば 教えてください。

A9 回答者:脇坂長興 (創傷治癒センター理事)
縫合糸膿瘍または脂肪が融解したための膿瘍でしょう。
「じゅくじゅくしたかんじになって」いるなら、感染の可能性もあるので「病院へ行く」ことをお勧めします。
赤み、腫れ、熱感、疼痛が出現したら、直ちに受診してください。
Q10 相談者 ニックネーム:chibi 患者様(相談対象者) 年齢:30代後半 性別:女性

9ヶ月前に2人目を帝王切開(横切開)で出産しました。産後ずっと傷口の麻酔が残っている感覚があり違和感がありました。
1週間くらい前からその違和感に加え、傷口が痺れているような感じがあります。さらに傷口から左骨盤あたり、左腰あたりと痺れのような感覚が出てきました。
痺れが出てきたのが、産後初めて生理が始まり、その生理がおわったころからです。
今も傷口の痺れ、違和感があり、 骨盤、腰回りは重くダルい感じが続いています。
今は腰回りなど重くダルい感じも強いため、 整形外科の痛みか、生理などのホルモンに関係しているのか、帝王切開が関係しているのか分からない状態です。
この症状は帝王切開と関係があるのでしょうか。
一度、病院で相談したいと思うのですが、 まずは何科で相談するのがよいのでしょうか。

A10 回答者:脇坂長興 (創傷治癒センター理事)
「帝王切開」で「出産」直後から、「産後ずっと傷口の麻酔が残っている感覚があり違和感が」あったのでしょうか。
「産後初めて生理が始まり、その生理がおわったころから」「痺れが出てきた」ということは、「出産」から日数が経ってから「傷口」の知覚鈍麻が出現したということでしょうか。
「産後初めての生理」は、「出産」後3週程度で再開する方もいますが、卒乳まで1年以上生理が再開しない方もいます。
「出産」から「9か月」経過して、「1週間くらい前から」「傷口」の「違和感に加え、傷口が痺れているような感じが」強くなったということでしょうか。
「傷口の痺れ、違和感」は変わりなくあって、「さらに傷口から左骨盤あたり、左腰あたりと痺れのような感覚が」出現したということでしょうか。
申し訳ありませんが、頂いた情報からは経時的な変化をしっかりと把握することが出来ないため、原因の推測が困難です。
「傷口の麻酔が残っている感覚」と「違和感」が「帝王切開」の皮膚切開に伴う知覚神経末梢の損傷なら、症状は時間の経過とともに軽減するもので、悪化することはありませんし範囲が広がることもありません。
「産後初めての生理」の出血量や生理期間は個人差が大きく人それぞれですし、しばらく月経困難症や月経前症候群といった月経随伴症状が続くことも少なくありません。
「傷口から左骨盤あたり、左腰あたりと痺れのような感覚が出て」「今も」「骨盤、腰回りは重くダルい感じが続いて」いるのは、腰部筋肉痛や腰椎の異常が原因かもしれません。
先ずは「帝王切開」をなさった産科で経過を診ていただき、婦人科での治療を提案してもらうか、必要に応じて整形外科を紹介していただいてはどうでしょう。

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