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ストーマケア

■ストーマとは

ストーマとは、治療のために行った、腸や尿管などの手術後に、これらの一部を体外に引き出して造った、便や尿の出口(排泄孔)です。腸を引き出したものを「消化管ストーマ」、尿管を引き出したものを「尿路ストーマ」といいます。

■ストーマの種類

1 消化管ストーマ
消化管ストーマは、ずっと造られたままの「永久的ストーマ」と、後に閉鎖される「一時的ストーマ」に分けられます。
そのほかに、ストーマが造られる部位や、腹部に出ているストーマの数などによる分類もあります。


画像提供 ディアケア ストーマ・ライフ
https://www.almediaweb.jp/stomacare/life/contents/foundation/002.html

2 尿管ストーマ

尿管ストーマは、尿管を直接腹部に引き出す「尿管皮膚瘻」と、回腸の一部に尿管をつないで回腸の一端を腹部に引き出す「回腸導管」があります。
そのほかに、直接腎臓(腎盂)にカテーテルを挿入して尿を排泄させる「腎瘻」、直接下腹部から膀胱にカテーテルを挿入して尿を排泄させる「膀胱瘻」などもあります。これらは常に尿が排出されるため、常時採尿袋を装着します。


画像提供 ディアケア ストーマ・ライフ
https://www.almediaweb.jp/stomacare/life/contents/foundation/002.html

■ストーマ装具の使用

ストーマを造ると、便意や尿意を感じなくなり、自分の意思と関係なく便や尿がストーマから排泄されるようになります。そのため、便やガス、尿を管理するために「ストーマ装具」を使用します。
ただし、ストーマ装具の使用により、ストーマ周囲の皮膚にトラブルを起こす場合があります。皮膚トラブルは痛みや痒みなどを引き起こすだけでなく、ストーマ装具の装着も困難となります。
皮膚トラブルを防ぐためには、装具の交換時に、①皮膚に異常がないか観察することと、②ストーマ周囲の皮膚を洗浄するなどのスキンケアが必要になります。
また装具交換については、看護師やホームヘルパーと一緒に行う場合もありますが、ご自分でできる交換方法も知っておくとよいでしょう。

■ストーマ周囲の皮膚の異常の観察

ストーマ周囲の皮膚の異常としては、専門用語で少し難しくなりますが、発赤(皮膚の赤み)、浸軟(ふやけ)とびらん、色素脱出、潰瘍、丘疹などがあげられます。
周囲皮膚の観察の際は、ストーマを専門にみている看護師(皮膚・排泄ケア認定看護師といいます)や一般病棟の看護師が用いている「ABCD-Stoma®」というツールを知っておくとよいでしょう。これは、皮膚・排泄ケア認定看護師の団体である一般社団法人日本創傷・オストミー・失禁管理学会が提案しているもので、採点した結果をもとに適切なスキンケア方法が紹介されています。
ストーマをもっている人もその知識があれば、看護師と同じ言葉で皮膚の状態を伝えることができるので、知っていると便利でしょう。詳細は、「日本創傷・オストミー・失禁管理学会」のホームページ(http://www.jwocm.org/)をのぞいてみてください。

■ストーマ周囲の皮膚のスキンケア

ストーマ周囲の皮膚を洗うときには、ゴシゴシ擦らないようにします。洗浄剤をしっかりと泡立て、その泡で汚れを包み込み、泡をなでるようにして洗います。
洗浄後は十分な微温湯で洗浄剤を洗い流します。洗い流すのが難しい場合には、微温湯で濡らした不織布や繊維の軟らかいもので3~4回、優しく拭きとるようにします。微温湯などを使用せずに拭きとりだけでよい洗浄剤も販売されています。

■参考リンク集

資料提供 アルケア株式会社

監修:塩谷 信幸
特定非営利活動法人 創傷治癒センター 理事長

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