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0_FAQ 創傷治癒 よくあるご相談 - - FAQ 創傷治癒 よくあるご相談|創傷治癒センター

傷の悩み 無料相談

創傷治癒よくある質問

  1. 0_FAQ 創傷治癒 よくあるご相談
Q4101 相談者 ニックネーム:無記入 患者様(相談対象者) 年齢:40代前半 性別:男性

叔父が大やけどをしました。命を救うために皮膚を提供してほしいと親戚中がいわれたのですが、どうしたらよいのでしょうか。

A4101 回答者:脇坂長興 (創傷治癒センター理事)
何時も言うことですが、皮膚移植は本人の皮膚でないと生着しません。しかし、やけどの範囲が広いとき、一度に全部を本人の皮膚でおおうことは不可能になります。かといって傷をとじないでおくと、たいせつな体液がもれてしまったり、またそこから逆にバイ菌が入ったりします。したがって、とりあえず他人の皮膚で一時傷口をふさぎ、徐々に本人の皮膚におきかえるということが必要になってきます。他人の皮膚でも10日か2週間ぐらいはついています。これを「生物学的包帯」と呼んでいます。

血液を提供するのと違って、皮膚を提供すればやはり傷あとが残ります。また一人の人が安全に提供できる皮膚の量にも限度があります。

このような患者さんの場合には、他人の皮膚移植(同種多植)が繰り返し必要になってきます。そこでご質問のように、親戚を動員して皮膚を提供していただくようになるわけです。外国ではこの目的のために、血液銀行と同じ皮膚銀行、スキンバンクというものが設けられているところもあります。これはガンとか伝染病の病気以外、たとえば交通事故でなくなったかたの皮膚を提供していただき、輸血と同じく、冷蔵庫に摂氏4度で無菌的に保存しておくわけです。しかしからだの表面を傷つけることになるので、やはり遺族のかたがたの抵抗が大きいようです。

そこで最近は、人間の皮膚にもっとも性質の似ている豚の皮膚が、この目的のために利用されるようになりました。豚の皮膚を無菌的に薄くはいで、いろいろな方法で保存したものが製品化されています。ポーシンスキンと呼ばれていますが、やはり人間の皮膚ほどはうまくいかず、かえって感染や拒否反応などのマイナス面が多いという意見もあります。
 そのほかシリコンの膜を加工したものが、バイオブレーンという商品名で発売されています。しかしこれは長期間放置できるものでもなく、また皮膚の機能をはたすためでもないので、結局はガーゼと同じく、一時しのぎの包帯に過ぎません。

最近最も期待されるのは、培養皮膚です。
これには本人のものを培養する自家培養皮膚と他人のものを使う同種培養皮膚があります。
自家培養皮膚は生着しますが、同種培養皮膚は同種移植とおなじで、一時的なカバーに過ぎません。しかし、皮膚の提供者の不足を補うものとして、今後開発が期待されます。

命を救うためには、あらゆる努力が必要で、医師、看護婦ともに重症のやけどの患者さんをかかえると、何日も徹夜の治療をつづけます。しかもほかからの皮膚の提供が必要な場合には、そうとう重症と覚悟しなければなりません。それだけ回りのかたに犠牲をしいても、患者さんを救えるという保証がないのが、治療にあたる側のジレンマです。
Q4102 相談者 ニックネーム:無記入 患者様(相談対象者) 年齢:40歳 性別:女性

子宮ガンで放射線治療を受けました。後遺症と思われますが、半年前から腰の部分の皮膚がくずれてきて、ひどく痛みます。皮膚移植もむずかしいといわれたのですが、どうしたらよいのでしょうか。

A4102 回答者:脇坂長興 (創傷治癒センター理事)
子宮ガンの場合は四方向から放射線をかけますので、下腹部の両側と、背中では両方の腰の部分に起こります。

ここで放射線の後遺症について、説明を加えます。放射線をかけた場合に、その直後と、それから数年たって起こるものと2つのタイプの後遺症があります。直後のものはやけどに似て、一時的に赤くなり、ヒリヒリして、そのまま皮膚がくずれる場合もありますが、たいていはそうならずにおさまります。

もう1つのタイプはもっとめんどうで、十数年たってから徐々に変化が起こってきます。放射線の副作用が徐々にあらわれて、毛細管がつまったり、全部の細胞が萎縮して線維化されてきます。血液の循環が悪くなるので、その部分の皮膚は栄養不足になり、くずれていわゆる潰瘍をつくります。

ご質問の場合は、このような後期の放射線障害にあたります。これもガンの治療のためには、やむをえない副産物とされています。めんどうなことには、毛細管がつまって血液の循環が悪いので、皮膚の移植をしようと思ってもなかなかついてくれないことです。

また、血管が先にやられてしまうのに、神経は放射線に対して抵抗力があって、痛みだけは、人一倍敏感に感じるのです。

なおりが悪いうえに痛みだけは強いということで、当人にとっては非常な苦痛になります。しかもこの変化は表面だけではなく、ずっと奥まで及んでいるので、ほうっておくとだんだんと広く深く進行してゆきます。

しかし、なおせないわけではありません。昔の皮膚移植ではほとんど失敗しましたが、最近の新しい移植の方法を使えば、多少手間はかかりますが、完全になおすことも可能です。これを早い時期にすませておけば、回りからのよい血液をその部分に誘致することになるので、潰瘍が深部に進行するのを防ぐことにもなります。

この手術には、やはり数ヵ月の入院は必要でしょう。子宮ガンの治療だけでもたくさんなのに、手術はもうこりごりだと思われるかもしれませんが、早ければ早いほど治療しやすいし、入院も少なくてすみますから、あまり引き延ばさないほうが得策だと思います。
Q4103 相談者 ニックネーム:無記入 患者様(相談対象者) 年齢:30代後半 性別:女性

幼いころ顔にやけどをしました。いままではあまり気にしていなかったのですが、なおるものなら、やはり手術を受けてみたいと思います。傷の大きさは、ひたいとくちびるがそれぞれ1.5センチ四方、ほおが5センチ四方ぐらいです。

A4103 回答者:脇坂長興 (創傷治癒センター理事)
なかなかむずかしい問題です。診察してみないとわからない要素の一つは、傷の大きさ以外に、傷がどんな状態かということです。たとえば、へこんでいるか出っぱっているか、また赤いか茶色いか、また白く色が抜けているかといったようなことです。ここで推量してみますと次のような傷あとではないでしょうか。多少回りよりへこんでいて、いくぶん茶色がかっている。そしてお化粧してものりが悪いし、またそこだけでこぼこになってしまう。そういう状態の傷として場所と大きさによって治療法を分けて考えてみたいと思います。

1 ひたいの傷ならば、その程度だとおそらく切りとって縫い寄せることになると思います。ただ、あとに3~4センチくらいの長さの細い手術のあとが残ります。なるべくひたいのしわに平行な、つまり横方向の傷になるように手術すれば、多少長い傷でも目立たなくなります。

2 くちびるはそうはゆきません。これだけの大きさのものを切りとって寄せてしまうと、ゆがんでしまいます。そこで2つの方法が考えられます。1つはサンドペーパー法です。このために作られた特別の機械で、傷あととその回りにサンドペーパーをかけて平らにします。このいちばんの目的は傷あとの周辺部をならして、なんとなくぼかしてしまうわけです。もっと目立つ傷あとでしたら、皮膚の移植も試みられてよいでしょう。

3 ほおの傷は広範囲なので最も治療にてこずります。なにかやるとすれば、おそらく皮膚移植しかないでしょう。首とか胸のあたりからの皮膚を持ってくるとかなり回りとのカラーマッチもよくなります。しかし首や胸の部分に、そうとうな傷が残ることになります。おなかとか腰のように隠せる部分の皮膚が使えるといいのですが、どういうわけか回りとひどく違った色になってしまいます。そのへんのプラス、マイナスをよく検討したうえで手術の適否をきめるようにしています。
Q4104 相談者 ニックネーム:男性 患者様(相談対象者) 年齢:30代前半 性別:無記入

子どものころやけどで、頭にこぶし大のはげがあります。知人から形成外科に行ってみるようにすすめられたのですが、なおるものでしょうか。

A4104 回答者:脇坂長興 (創傷治癒センター理事)
昔、男の子が全部坊主頭のころはどんな小さなはげでも隠しようがなく、当人にとってはたいへんな重荷でした。このごろのように長髪が普通で、はげを隠すのに苦労はなさそうな時代でも、やはりはげというのは忌みきらわれるようです。はげの原因はいろいろありますが、やはりやけどによるものがいちばん多いのです。治療は、その大きさと場所によって3つか4つの治療法を選んで、また組み合わせて行ないます。いずれにしても、いったん失われた毛根を再生させるということは、いまの技術ではできません。したがって、現在残っている毛根をどこまでうまく利用するか、ということになります。

1 1~2センチ程度の小さなはげは、切りとって縫い寄せます。細い傷あとが残りその部分だけは毛がはえなくなるのはやむをえません。3~4センチ幅の広いはげで、一度に取りきれない場合にはこの操作を数度繰り返して行ないます。縫い寄せて、回りの皮膚が伸びてくるのを待って、半年くらいたってから次の手術を繰り返すわけです。この方法で、そうとう大きなはげでも小さくすることができます。ご質問の場合はこの方法があてはまると思います。tissue expander(組織拡張器)というものを使って、より広いはげを治療する方法もあります。治療が長期間にわたるのが難点です。

2 頭の1/3くらいのはげだと、縫い寄せが不可能になります。もしはえぎわのあたりにあって隠しにくいときは、頭頂部か後頭部あたりの毛をはえぎわへ移して、ごまかしやすいようにします。ただこの場合には、前にあったはげがうしろに移動するだけです。初めから頭頂部や後頭部のように、比較的隠しやすい場所にあれば、多少縫い縮めてみて、あとは前のほうの毛をうしろへねかしつけてごまかします。そこだけの部分かつらというのもありますが、装着中にはがれたりして必ずしも心理的に安心できないようです。

3 単一植毛といって、一本ずつの毛根を植える方法もあります。もちろん本人の毛を使います。この方法ではあまり密に植えることは出来ません。最近では、この方法は若はげの治療にも用いられるようになりました。

4 全体の半分以上の場合には、初めから手術はあきらめて、かつらをすすめるようにしています。この場合も、はえぎわにだけは毛を持ってきて、ごまかしやすいようにすることもあります

子どもさんの場合には手術の時期が問題になりますが、特にはっきりしたきめはありません。いちばん本人が悩むのは、10才から15才くらいの時期ですので、その前になおしていたほうが、心理的にはよいでしょう。まだ定説ではありませんが、手術のしやすさ(頭の皮膚の伸びぐあい)も幼稚園から小学校低学年くらいのときのほうがやりやすいようです。若はげについては、また美容外科になるので、別のホームページを参考にしてください
Q4105 相談者 ニックネーム:無記入 患者様(相談対象者) 年齢:45歳 性別:女性

乳ガンのため、手術と放射線治療を受けました。ガンはなおったと言われたのですが、腕のむくみがひどくて手を上げることができません。形成手術でなんとかなるでしょうか。

A4105 回答者:脇坂長興 (創傷治癒センター理事)
わが国でも多くの場合乳ガンは患者さんにも診断を知らせます。手術と放射線療法をうまく使えばよい成績をあげられるということと、本人が定期的に自分のからだをチェックして早期発見するように、一般の知識が普及したためです。以前はご相談のように、乳ガンの手術はガンの根治手術の一つの典型として、広範囲に乳房と胸の筋肉、わきの下のリンパ節を切除、それでも取りきれない部分を、放射線療法で補うようにしていました。手術の範囲も広く、また、放射線も相当量必要です。そこでご質問の、ガンはなおったが、手がむくんで動かなくなった、という訴えがしばしば起こります。最近は、乳ガンは悪性腫瘍そのものと転移のあるリンパ節だけを切除してなるべく乳房を温存し、あとは放射線療法、化学療法、ホルモン療法を組み合わせるという治療方針が普及しています。

むくみの原因は、わきの下のリンパ腺を取り除いたことにあります。乳房と同じに、腕のリンパ液もわきの下のリンパ腺に集まります。乳ガンの根治のためにその部分のリンパ腺を除くと、腕のリンパ液も通り道がふさがれて、肩とか背中とかのわき道を通るようになります。これである程度代償されますが、やはり十分ではありません。ことに長時間手をだらっと下げているとむくみがきて、そのむくみがその部分の皮下組織を刺激して瘢痕組織をつくり、さらにむくみがひどくなります。一種の悪循環です。

手術のあとは、その部分を安静に保つために、しばらく手は動かせません。ところが関節は絶えず動かしていないと、数週間でかたくなってしまいます。ことに放射線をかけると、線維組織がふえるので、関節はなお早く固まります。乳ガンの手術のあとは放射線をかけることが多く、ちょっとゆだんしている間に肩が動かなくなってくるのはこのためです。

またこの放射線療法は、さきほど述べた残されたリンパ液のわき道もふさいでしまうために、さらにむくみの原因となります。また肩の動きが悪ければ、腕もだらんと下がって、むくみがなおひどくなります。むくんでいるとますます肩を動かさないということで、ここでもまた悪循環が起きてしまいます。ひどい場合、肩の関節は完全に固まってしまい、腕がだらんと下がり、反対側の腕の2倍くらいにはれてしまうこともあります。

これはガンをなおすためのやむをえない犠牲でしたが、早い時期から注意すればある程度の予防は可能ですし、またこうなってからでも、程度によっては治療する方法がないわけではありません。

手術後は、なるべく早い時期から腕を動かすようにします。いちばんよいのは壁のそばに立って、手を壁の上へはわせて、だんだん高いところへ持ってゆくようにすることです。

また、乳房再建の手術をするときにわきの下の癒着をして硬くなった組織をていねいにはがすとリンパ液の流れが良くなって、むくみが劇的に改善されることが少なくありません。形成外科でどの程度の手術が適当か相談してみてください。
Q4106 相談者 ニックネーム:無記入 患者様(相談対象者) 年齢:30代 性別:女性

足のすねに直径2センチの低温やけどの跡があります。低温やけどをしてから一年たっていますが一向に傷跡がよくなりません。表面はつるつるしていて、色は黒っぽくなっています。結構目立つので傷跡を目立たなくしたいです。

A4106 回答者:脇坂長興 (創傷治癒センター理事)
やけどの傷跡部分を切って、正常な皮膚を縫い合わせる切除縫縮手術が一般的です。ただしある程度皮膚に余裕がないときれいな仕上がりになりません。状況によっては皮弁といって、別な部位の皮膚を動かしてくる特殊な方法が必要になることもあります。

また色素沈着だけなら、ステロイド剤やハイドロキノン軟膏などの美白剤を使用して、手術をしないで症状を改善させたほうが良い場合もあります。

いずれにしろ、実際の傷跡を診察しなければ、最適な方法を検討することが出来ません。形成外科を受診してください。
Q4107 相談者 ニックネーム:無記入 患者様(相談対象者) 年齢:20代前半 性別:女性

自動車事故で命はとりとめ、これといって目立つ傷もないのですが、顔がゆがんでしまいました。

A4107 回答者:脇坂長興 (創傷治癒センター理事)
自動車事故のときに、表面の傷はすぐ注意をひくので適切な処置がされても、深いところの骨折がしばしば見のがされがちです。顔がゆがんだというのは、おそらくこの骨折のためでしょう。衝突のときにからだが一度浮き上がって天井に頭をぶつけ、はね返ってダッシュボードに顔がぶつかることがあります。このようなときによく起こるのが、顔のまん中1/3の骨折です。また下あごが折れることもあります。両方いっしょに折れる場合もあります。たいていは皮膚も傷つきますが、全く外に傷がなくて骨だけ折れている場合もあります。

自動車事故で大けがをすれば、やはり脳血腫とか内臓破裂といったような重篤な損傷が優先的に処置されます。そして数日間、生死の境を彷徨してやっと助かってみると、顔がゆがんでしまっているのに気づくこともあります。初めから骨折とわかっていても、脳外科的な処置や外科的な処置が優先して、顔面の処置はあと回しになってしまうこともあります。これもある程度はやむをえません。

しかし顔の骨は手足と違って、非常になおりが早いのです。これはありがたいことですが、いまの場合にはかえって裏目に出て、数週間放置すると、がっちりとゆがんでくっついてしまい、なかなかもとに戻らなくなります。10日までなら比較的容易に整復できます。実際問題として、脳とか内臓の障害がどれほどひどくても、将来助かるような場合には、だいたい10日以内に顔面に対してある程度の処置が可能なものです。

いまの場合でも、けがをしてから1ヵ月以内と、1ヵ月以上たっている場合とでは、だいぶむずかしさが違ってきます。いずれにしても、入院して全身麻酔のもとに整復矯正を行ないます。1ヵ月以内ですと、なんとか折れた骨を動かしてもとの位置に戻せます。そして折れた部分を、ステンレスの鋼線でしっかりと止めます。1ヵ月以上たっていると、骨折した部分をまたノミで折り直さないと動いてくれません。これは非常に大がかりな手術になってしまうので、あまり機能に異常がない場合には、出っぱりを削ったり、へこんだ部分に骨移植をしたりして、外見だけをととのえるようにします。

いずれにしてもあごの場合には、正しい歯のかみ合わせを保つことが最もたいせつです。これを咬合と呼んでいますが、正しい位置に持っていくために、6週間ほど上と下の歯を針金で固定する場合もあります。

顔のゆがみの程度にもよりますが、数ヵ所で骨が折れていて全体にずれている場合、このようないろいろな操作を施しても、完全にもとの形に戻すのはなかなかたいへんなものです。
Q4108 相談者 ニックネーム:無記入 患者様(相談対象者) 年齢:40代前半 性別:男性

階段からころげ落ちてあごをぶつけたあと、歯のかみ合わせがおかしくなってしまいましたが。

A4108 回答者:脇坂長興 (創傷治癒センター理事)
当然、あごの骨が折れたことが考えられます。歯のかみ合わせというのは非常に敏感なものです。医師が診察してわからなくても、またレントゲンにはっきりと骨折線が出ていなくても、本人がかみ合わせがおかしくなったといえば必ずどこかあごの骨が折れているといってよいほどです。

このような訴えのときは、ていねいに診察し、またレントゲンもとって、あごの骨がどこかで折れていないかさがします。骨折があった場合、その先の治療は、歯が正常であるかまたは入れ歯であるかで多少違ってきます。まだしっかりした歯がある場合には、上の歯と下の歯とを針金で結び合わせる顎間固定ということを行います。これで折れた骨どおしを固定し、また同時に歯のかみ合わせを正常に保つことができます。普通これを六週間つづけます。その間は、しゃべることと食事が不自由なだけで、あとは日常生活をつづけてもかまいません。

このように上下の歯をとじてしまっても、奥歯のうしろから流動食をとることはできます。ただ、流動食で栄養のあるものを何週間もつづけると、食欲が減退して多少体重が減ってしまうのはやむをえないようです。

顎間固定に使えるよい歯がない場合には手術を行ないます。折れている部位を切開して針金でとめたり、また、金属性の板をあてたりします。入れ歯自身を副木のように使う場合もあります。また歯が健全であっても、折れた場所や折れ方によっては、手術したほうが望ましいこともあります。そのうえで、初めの場合と同じように上あごと下あごを6週間固定します。

こうして一応骨折が治癒した段階で、なおかみ合わせがしっくりいかないときは、歯のすり合わせということを行なってスムーズにします。かみ合わせの悪いままに歯をほうっておくと、あごの関節にまでひびいてきますので、注意しなければなりません。
Q4109 相談者 ニックネーム:無記入 患者様(相談対象者) 年齢:20代後半 性別:男性

以前は目がよいほうだったのですが、自動車事故のあと、物が二重に見えるようになってしまいました。

A4109 回答者:脇坂長興 (創傷治癒センター理事)
まず考えられるのは、いわゆるブローアウト骨折と呼んでいる骨折です。眼球は、眼窩と呼んでいるソケットの中に入っていて、6つの筋肉が複雑なバランスを保ちながら眼球を動かします。この筋肉のバランスがちょっとでもくずれたり、またソケット自身がゆがんで眼球がずれたりすると、物がニ重に見えるようになります。つまり眼球自身の動きがおかしい場合と、眼球の位置がずれてしまう場合とがあります。ソケットをつくっている目の回りの骨が折れた場合に、このどちらもが起こりえます。

むずかしい理屈は抜きにして、いちばん多いのはそのソケットの床の部分が落ち込んでしまう場合です。すると、眼球が下方にずれたり、またソケットの中で眼球をささえている脂肪が、その下の副鼻腔へ脱出してしまいます。この副鼻腔というのはソケットの下にあって、いわゆる蓄膿という病気を起こす空洞のことです。また、床が陥没しないまでも、そこに亀裂が入って眼球を動かす筋肉がひっかかり、眼球の動きが悪くなることもあります。

事故直後にこれが見つかれば、治療は比較的容易です。下に落ちた床の部分の骨を持ち上げて固定します。また筋肉がひっかかっているときは、それをはずしてやります。下まぶたを少し切開して診断をかねて行える簡単な処置です。しかし、自動車事故のときには、とかく頭部外傷とか内臓出血といったような生死にかかわりのある損傷に目がゆきがちで、また、そのような処置が優先して行なわれます。

そしてまたブローアウト骨折の場合には、救急処置のとき、すでにまぶたがはれ上がっていて、十分に眼球の動きが確かめられない場合もあります。数週間後やっと危機も脱出して、またはれも引いてきたときに、初めて物が二重に見えるということに気がつくわけです。

ひところは、診断がつきしだいなるべく早めに手術を行なうという傾向がありましたが、最近はむしろ、よほどの障害がない限り数ヵ月経過をみるようになってきました。初めのころの内出血や浮腫がとれてくると、だんだんに筋肉の動きも回復してくることがわかってきたのです。たとえ眼球の位置や筋肉の働きが完全にもとに戻らなくても、ほかの筋肉である程度まで代償することができるようです。

数ヵ月たっても回復しない場合には、やはり手術ということになります。まず一応は、落ち込んだ骨を引き上げてみることを考えます。しかしそれもあまり効果がなさそうな場合には、初めから骨の移植をしたり、シリコンという人工物の膜を挿入して目の高さをそろえます。
Q4110 相談者 ニックネーム:無記入 患者様(相談対象者) 年齢:無記入 性別:無記入

生まれた長男の耳の上半分が隠れていて、袋耳と言われました。手術が必要と言われたのですが、いつごろ受けたらよいのでしょうか。また、手術以外の方法はないでしょうか。

A4110 回答者:脇坂長興 (創傷治癒センター理事)
袋耳というのは日本人に特有の耳の奇形で、耳介の上半分が皮膚にうずまった形になっています。片側だけの場合もありますが、程度の差はあっても普通は両側に見られます。原因はわかっていませんが、とくに遺伝関係はないようです。また、その部分の軟骨(耳介のフレームをつくっているもの)も折り曲げられていて、耳介を無理に引っぱり出しても、またすぐうずまってしまいます。

袋耳では軟骨の変形といっしょに、皮膚が足りないので、程度のひどい場合にはやはり手術して耳を起こし、軟骨を矯正して、皮膚の移植が必要になります。程度が軽ければ特に移植をしないでも、その付近の皮膚の移動だけですむ場合もあります。いままでは2~3才から4~5才くらいでこうした手術をしてなおしてきました。

しかし最近の研究では、針金とゴムを組み合わせた装具によって、手術をしないでもある程度矯正できることがわかってきました。この装具で耳を引っぱり出すと同時に、軟骨を矯正した位置にバネを固定しておきます。生まれてからなるべく早い時期に始めたほうが軟骨もやわらかく、皮膚も伸びてくれるで成功率が高いようです。ききめのある場合には、数ヵ月から半年つづければそのあとは、はずしっぱなしにしても、もとに戻りません。半年つづけても効果があがらないものは、手術でなおします。

手術は、普通の場合は1回ですみます。これも小耳症と同じように外観だけの問題なので、髪で隠して本人も気にしないということならば、ほうっておいてもかまわないようです。ただ、おとなになってめがねがかけられないで困るということで、手術をする場合もあります。

そのほかに耳の奇形として「耳垂裂」というのがあります。これは耳たぶが、生まれつき2つに割れています。実は割れているだけでなくて組織も足りません。割れ目を合わせると同時に多少細工をして形をととのえます。手術の時期は特にきめはありませんが、機能に影響がないので、あわてる必要はありません。

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