傷と治療の知識

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ケロイド・肥厚性瘢痕治療剤

ケロイドの治療に使われる薬剤としては、外用薬、注射薬と内服薬があります。

薬物療法 外用薬 ステロイド含有軟膏
ステロイド含有テープ
ヘパリン類似物質含有軟膏
注射薬 懸濁性ステロイド注射剤
内服薬 ケロイド・肥厚性瘢痕治療剤

薬物以外の治療として、圧迫療法・手術療法・放射線療法などがあります。

・ケロイド・肥厚性瘢痕の発生メカニズム

TGF-β1の遊離・産生亢進

TGF-β1は線維芽細胞などから産生され、線維芽細胞の増殖およびコラーゲン合成などを促進し、上皮間葉転換やアポトーシス耐性などにも関与するケロイドの発生に関係する中心的なサイトカインです。

線維芽細胞・血管内皮細胞の増殖やコラーゲン合成促進

ケロイド・肥厚性瘢痕の形成には、線維芽細胞・血管内皮細胞の増殖が関与し、更にコラーゲンなどの細胞外マトリックスの合成促進が、ケロイド組織の増殖に重要な役割を果たしています。産生されたマトリセルラータンパクや増殖した組織によるメカニカルストレスが更に増殖を促進すると考えられています。

上皮間葉転換(EMT)の亢進

上皮細胞が線維芽細胞などの間葉系細胞への変化が促進することが、ケロイドの境界部分が回りにどんどん広がっていく病態に関与しています。TGF-β1は上皮間葉転換(EMT)を誘導するサイトカインです。

ケロイド組織のアポトーシス耐性

ケロイド組織は、アポトーシス(自然死)が生じにくい状態を呈しています。発生したケロイド組織は自然消退せず、加えて新たな増殖の亢進により更に大きくなっていきます。TGF-β1はケロイド組織のアポトーシス耐性の獲得にも関与しています。

ヒスタミン、PGE2、活性酸素の遊離・産生促進

ケロイド・肥厚性瘢痕組織には肥満細胞や炎症担当細胞が多く存在し、そこから産生・遊離されるヒスタミン,PGE2,活性酸素が瘙痒・疼痛などの自覚症状の増強に関与しています。

・ケロイド・肥厚性瘢痕の治療

ケロイドは、鮮紅色ないし赤褐色の隆起した硬い腫瘤で、激しい瘙痒があり、自発痛や圧迫痛があります。肥厚性瘢痕は、淡紅色、茶褐色、暗赤色などの色調を呈する隆起した硬い腫瘤で、瘙痒感や圧迫痛は程度の差が見られますが、自発痛は軽度にあるかない事もあります。
ケロイド・肥厚性瘢痕の治療は、瘙痒や疼痛などの自覚症状に対する治療と、他覚所見としての赤みを伴う隆起した腫瘤に対する治療に大別できます。
ケロイド・肥厚性瘢痕の自覚症状の成因の一つに、ヒスタミンなどのケミカルメディエーターの関与が考えられ、これらの自覚症状の増強因子の増加が、瘙痒や疼痛などの自覚症状の増悪に関与していると考えられています。したがって、それらケミカルメディエーターなどの自覚症状増悪因子を抑制することで、痛みや痒みなどの自覚症状に対する治療効果が期待できます。一方、ケロイド・肥厚性瘢痕における異常な盛り上がり(正常範囲を超えた盛り上がりや次第に大きくなる傾向)に関係していると考えられているのは、TGF-β1(サイトカイン)や線維芽細胞を中心とした各種増殖因子です。ケロイド・肥厚性瘢痕の治療では、これらの増殖因子を抑制することにより、増大傾向(これから増大しようとする状態)を改善することが期待できます。
ケロイド・肥厚性瘢痕の薬物治療では、痒みや痛みといった自覚的な症状を改善したり、瘢痕が更に増大しないように増大傾向を抑制することは期待できますが、大きくなってしまったケロイドや瘢痕組織を小さくしたり、なくしたりすることは困難です。既に発症しているケロイド・肥厚性瘢痕組織を縮小するには、手術による切除が必要になります。また、手術療法の治療効果をより確実にするためには、術後の増大傾向をしっかりと抑えておく必要があります。その目的のために放射線照射が行われていますが、薬物療法は放射線と併用することで、異なる作用による併用効果が期待できます。
一般的に外傷による傷あとでは、正常な創傷治癒に障害が生じると、痒みや痛みを伴ったり、赤みや盛り上がりがみられたりするようになります。薬物療法では盛り上がってしまった組織を小さくすることはできませんので、より早い段階から増殖しないように、受傷後早期からの積極的な介入が治療のポイントです。通常の肥厚性瘢痕は、受傷後増殖期という肉芽組織が増大する時期から成熟期にかけて、瘢痕組織の形成に重要な時期を迎えますので、正しい創傷治療を行った上で、赤みや傷み・痒みなどが持続して見られる場合には、早めに薬剤などによる治療を開始し、3ヶ月~半年位続けることが効果的です。

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